![]() ◆唯一癒しのないキャラクター |
クライマックスに向かって走って行く『ポゴシッタ(会いたい)』の主要登場人物の中で、“殺人者の娘”として辛い思いをしてきたユン・ウネ、少年時代、彼女を捨てて逃げたことに負い目を感じていたパク・ユチョンは、これまでのストーリーの中で、ある種の“癒し”を受けている。しかし、ただ1人、負のループから抜け出せない孤独なキャラクターがいる。それは他でもないユ・スンホだ。子どもの頃の根の深いトラウマを持って大人になった不幸な男は、いつの間にか希代の国際的殺人鬼になっていた。
10日の夜に放送されたMBCの水木ドラマ『ポゴシッタ(会いたい)』(脚本:ムン・ヒジョン、演出:イ・ジェドン、パク・ジェボム)の第19話で、カン・ヒョンジュン(ユ・スンホ)の衝撃的な過去が明らかになった。彼はキム・ソンホ(チョン・グァンリョル)の殺害をきっかけにサイコパス的な能力を得て、フランスで暮らしていた時代から韓国に帰国した現在まで、継続的に殺人を犯していたことが分かった。
この日の放送でハン・ジョンウ(パク・ユチョン)は、フランスでのカン・ヒョンジュンの過去を調査していたところ、気になる部分を発見した。書類の中で、ハリー・ボリソン(ユ・スンホ)の里親は、ハリーを虐待した経験を持っており、ある日、突然死したと表記されていたのだ。
ハン・ジョンウと警察の仲間たちは、カン・ヒョンジュンがこの夫婦を殺害した可能性もあることを念頭に置き、捜査を開始した。警察は、ユン室長(チョン・ジェホ)とカン・ヒョンジュンが異常とも言える強い主従関係を築いているという事実をもとに、カン・ヒョンジュンがユン室長を救うため、何かしらの行動をしているという推測をした。
ジュ・ジョンミョン(オ・ジョンセ)刑事は、「ユン室長がハリー・ボリソン本人である可能性が高い。ユン室長を虐待していた親をハリーが代わりに殺してくれたので、2人は主従関係になったのではないか」と予測した。
ハン・ジョンウは、すぐにユン室長とハリー・ボリソンが同一人物であることを確認する捜査を依頼した。また、カン・ヒョンジュンがハリーの里親を殺害した可能性も考え、カン・ヒョンジュンのDNA調査を依頼した。確認の結果、カン・ヒョンジュンはハリーの里親を殺害した犯人と判明した。
◆ユ・スンホ、ひとりぼっちだからもっと痛い
カン・ヒョンジュンが犯罪を重ねるきっかけになったのは、キム・ソンホ(チョン・グァンリョル)の車のブレーキ部分にコーラ缶を押し込んだ時にさかのぼる。足を失い、母を失うという強力なトラウマの中でカン・ヒョンジュン(アン・ドギュ)は、大切な友人イ・スヨン(キム・ソヒョン)を自分の手で守るために最初の殺人に手を染めた。その後、カン・ヒョンジュンが長い歳月を過ごす中で、幼年期に受けた傷が歪んだ形に育っていったのだろう。
これに対してチェ班長は「もし、カン・ヒョンジュンが12歳の時にキム刑事を殺したのだとしたら、フランスでも誰かを殺している可能性が高い。同種の犯罪を重ねることで罪悪感が減るからだ」と、偶然とはいえ、幼い頃からサイコパスの能力を身につけたカン・ヒョンジュンを分析した。
この“カン・ヒョンジュンが国際的殺人鬼”という設定は意味深だ。カン・ヒョンジュンが幼年期に受けた精神的喪失と、大人になってから、地球のどこにも居場所がない国際的殺人鬼という今の境遇は似ている。カン・ヒョンジュンは昔も、そして今も、これ以上、帰るところがない崖の上にひとりぼっちで立っている。
[TV Dailyイ・ギウン記者/写真=MBC放送画面キャプチャー/翻訳=韓タメDaily ユウ・サンウォン]
