食と生命より3 塩分について | akyoonの異端の医学と不思議な情報

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医学や健康医療の【トンデモ論】を主としています・
本人はいたってまじめ。 しかし自分で自分を検証できないので、眉唾と取捨選択が必要。

4食塩をとりすぎないように

塩は一日一〇グラム以下を目標にして、できるだけ減らすようにという指示であ
るが、これは間違いである。
そもそも日本に塩を減らせという考え方が広まったのは、アメリカやヨーロッパ
の論文を鵜呑みにして伝えたことが発端である。アメリカや日ーロバの場合は、
減塩ということもそれなりに理由がある。それは肉がナトリウム性の食べ物であ
るため、肉食が多い欧米人が、同じナトリウムの塩を摂り過ぎるとダブル・ナト
リウムの状態で、“塩害”が起こってくるからである。

塩を摂ることによって大きな“塩害”が起こるという欧米人の立場で書かれた論
文に、日本の一部の学者がとびつき、「塩をひかえましよう」という運動に発展
した。いわば早トチリが生んだ勘違いの運動でありた。

日本人の食生活では、欧米人に比べると肉食はまだそれほど多いとはいえない。
どちらかというと菜食的な傾向が強いので、いまのところ塩をひかえる必要は全
くないといえる。

ミネラルのバランス理想的な食生活というのは、穀物や野菜が中心となる。この
ような食生活では、塩は不可欠である。何故なら、穀物や野菜はカリウム性の食
品であり、どうしてもカリウムにかたよりがちで、塩のナトリウムを損らないと
バランスがとれなくなるためである。

ナトリウムは男性的な“海”のミネラルであり、カリウムは女性的な“土”のミ
ネラルであるから、両々相まりて、つまり陰陽のバランスがとれて、はじめてう
まくいくことになる。
ナトリウムというのは、われわれの身体の中の自然治癒力と密接な関係があり、
ナトリウムが不足して、自然治癒力が低下すると、いろいろな病気にかかりやす
い。塩気がぬけた状態になると病気になるということである。

ト一バガンを始めとする慢性病の患者さんの血液を調べると、ほとんど例外なく
“脱塩状態”である。
夏バテというのも、“脱塩状態”の人に多く、カゼをひきやすい体質とか、女性
の場合の冷え症もみなナトリウム不足。

塩気をとらないと根治できない。「塩をひかえましよう一などという運動を下手
に展開すると日本人が一億“総説塩状態”になり、カゼひきと冷え症の人間だら
けになりかねない。


一部ナトリウムは精神的な問題とも関係がある。ヤル気を起こさせるのもナトリ
ウムである。
「今日ー日がんばってやろう」という意気込みは、ナトリウムが足りないと出て
こない。前向きの姿勢で、いろいろな障害物を乗り越えてやり抜くためには、塩
気が不可欠である。


    塩分と血圧
ナトリウムは血圧と関係があるといわれているが、これば間違いである。最近、
塩が血圧をあげるというデータが海外の雑誌などに発表されて誤解されている向
きもあるが、塩によって血圧を上げることば絶対に不可能である。

私共は昭和三十年頃、動物に塩をどんどん与えて血圧を上げる実験をやったが、
どうしても上がらなくて大変に苦労した経験がある。私共が実験を行なった範囲
においては、動物に塩を与えて高血圧症を起こさせた例は一つもない。ナトリウ
ムと血圧は別の問題である。

ただし、精製塩を摂ることによって腎臓が悪くなり、その結果、二次的に血氏に
影響を与えるという筋書きは考えることができる。
しかし、塩と血圧は直接的な関係を持つものではないから、安心して大いに塩を
とるべきである。指針の目標は一日に一0グラム以下となっているが、一五グラ
ム以上は、ぜひ摂る必要がある。



   楽しい食生活を
一家団らんをして食事をするというのは当然のことで、論評を加えるまでもない

 正しい食生活の原則正しい食生活とは、自然の生命の営みを保つでいる食物を
、できる限り自然のままの状態で口にする「自然食」であると同時に、それは民
族の伝統を受けついだ「民族食」であり、また郷土の香り豊かな「郷土食」でも
ある。

要するに、自然の恵みと、人間の生活の知恵との調和の中にこそ、真に正しい人
間の食生活のあり方がある、ということだ。
次にその原則について簡単に述べておく。


   一、身土不二の原則
その土地でとれた食物をなるべく食べること。その土地でとれた作物は、その土
地の気候・風土にもっとも遇した食物だからだ。また、季節季節にとれるものを
食べることも大切。季節はずれの食物はなるべく避けることを心がけるべきであ
る。仏法で言「※※※※」ということである。


   二、一物全体の原則
食物は、なるべく丸ごと食べること。生物は、全体としてバランスがとれている
からだ。
部分食は体のバランスが乱れるもととなる。牛でも豚でも丸ごと一頭平らげるな
ら恐らく害にはならないはずである。

   三、主食中心の原則
人間の食物は穀物が中心。穀物は禾本科植物の種子であり、種子には次代の生命
が結実しており、もっとも理想的な完全バランス食となるからである。

 四、葉・根薬食の原則
副食は、菜食が中心となるが、全体食となるように  肉と野菜バランスをよく
調和させる事。
葉菜は体を冷やし、根菜は体を温める食物。また、海藻、小魚類は大いに食べる
。しかし肉、卵、牛乳などの動物性食品はなるベく避けることが原則となる。

  五、調味料の原則
食塩は荒塩、砂糖は黒糖を原則とする。
みそ、醤油、納豆は日本人の体質に合った発酵食品であり、日本民族の傑作中の
傑作ともいえる調味料であるから大いに活用したい。
チーズ、ヨーグルトなどは西洋人に適した発酵食品で、日本人はみそ、醤油、納
豆、ぬか漬けなどが合う。ただし、保存料をつかっていない純正なものを。
油は植物油を原則とする。とくに、ゴマ油は酸化されにくく薬効もあるから貴重
である。石臼絞りの昔ながらのものを手に入れることがよい。精製油は不可。
酢は体質によって使いわけることが大切。(次項参照)


    食物と体質
次に、重要なことは体質に合った食物を選ぶこと。
陽性体質(西洋人や男性・筋肉質で固肥り体質)の人は、葉美類・果実・生水・
生野菜などの体を冷やす食物が適し、酢も大いによい。塩分はひかえ目とする。

陰性体質(東洋人や女性・やせぎすで、冷え性、ぶよぶよぶとり)では、根菜類
や火食などの温める食物が必要。塩分を充分にとり、生水・酢・果物などはひか
え目とする。
豆類なら黒豆や小豆は陰性体質に、大豆や青豆は陽性体質向き。板菜類でも大根
・カブなどは陽性体質向きだが、ニンジン・ゴボウ・レンコンなどは陰性体質向
きである。
このように、食物を選ぶ場合は、体質を考慮することが大切。今日の食生活は、
この点を無視していたためにむしろ逆効果をきたすことさえあるから気をつける
べきである。


   健康づくりのカギは“台所革命”から

次に調理の原則について簡単に述べておく。
料理とは、自然の恵み(素材)を、自然の原理に従って、人間の『健康と長寿』
に生かすための創意工夫であり、いわば芸術でもある。
自然の恵みを生かし、それらを組み合わせて、味覚的にも視覚的にも、そして健
康的にも、より優れたお科理として食生活を豊かにするための精進――つまり“
精進料理”こそ日本人の食生活の原点である。
世間でよく言うトリの餌ではないということだ。
この精進料理によって、一家中が自然との調和を保ち、心身共に健やかな生活を
営むことが保証されるのである。


つまり調理とは自然と調和するための理性的活動であり、また愛の結晶でもある

この原則を忘れた料理は、自然との調和を破壊する料理――つまり“壊理”にほ
かならない。一流料亭の懐石料理も、もし日本人の心の原点を忘れれば壊石料理
に早変わりするわけだ。
なお、調理すること自体が、すでに一一の消化過程(消化管外消化)でありて、
いわゆる生理的消化過程(消化管内消化)の延長線と考えるべきである。この点
が人間の食生活と動物のそれと決定的に違うところ。文明の原点は火食にはじま
る。


そこで、調理(消化管外消化)は、食物の選択(理性的消化)よ包丁(機械的消
化)よ煮焚き(加熱消化口火食)、調味・盛りつけ(感性的消化)といった一連
の手順と考えることもできよう。
そして、それらは個々の体質との関係を考慮し、自然との調和をいかに上手に演
出するか、というところに調理の“味”と“精進”があるというわけである。

ともあれ、家庭の“健康革命”は、一家の主婦による“台所革命”にかかっている、と
いっても過言ではあるまい。

松本英聖著・医事評論集(全六巻)/第一巻----食と生命
ーー病なき世界の実現を目指してーー/ISBN4-906255-17-5/3000<
1994年6月15日  第一刷発行  技術出版(株)発行 03(3707)3766
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松本英聖 氏 Matumoto Eisei 保健学博士、ユニオン大学保健科学研究
所教授を経て現在、保健科学研究所所長。自然科学の研究及び実践活
動を通じ、マクロ・ライフサイエンス(食と気の科学)による21世紀
医学革命論を提唱する。
著書に『松本英聖・医事評論集』全5巻刊行中。   ここでご紹介したのは第一巻です。