おばあちゃん(実家の母)の晴れ女ぶりは
以前書いたとおりだが、

ひょっとすると全部、

「運の強さ」からきているのではないか。

 

 

 

 

いまから20年近く前のこと――。

 

 

 

おばあちゃんにしては珍しく

庭の飛び石につまずいて、
足の小指の骨にひびが入った。

 

このさい
「通院するのは嫌だ」などと
信じがたいわがままを言い出し、

つてのある総合病院に

2週間ほど入院させてもらうことに。

 

 

 


退院間際になって、
たまたま別の病院からきていた

皮膚科の当直医が

おばあちゃんのふくらはぎにある

悪性のほくろに気づいた。

 

実はこれが命にかかわる恐ろしい病気で、
すぐに緊急手術に入り、
おばあちゃんは一命をとりとめた。
 

悪性のほくろは早期発見が難しく、
手遅れになるケースが圧倒的に多いそう。
 

このときリンパ節を取ったので

象のように足が腫れた時期もあったが、

いまは至って健康だ。

 

 

 

いったんここでもう一度、

奇跡的な流れを整理しておきたい。

 

 

 

    

1、足の小指の骨にひびが入らなかった…
2、家事をするのが嫌で入院しなかったら…
3、当直医が皮膚科の先生でなかったら…
4、悪性のほくろに気づかなかったら…

5、ほくろのできた場所が違っていたら…

 

 

5つの条件のうち、

ひとつでも満たしていなければ
おばあちゃんはきっともうこの世には…。

 

 

 

これってほんとうに

「偶然」なのだろうか。

 

 

まあ胡散臭い話はこのあたりにしておくが、

おばあちゃんは、

自分勝手に会社を辞めた僕を

露骨なまでに嫌っていて、

愛情表現は孫にだけ上手い。

 

みたことのない笑顔で

孫の頭をゴシゴシなでたりする。

 

それでも僕はおばあちゃんに

ずっと元気でいて欲しいと願っている。

 

昭和生まれの距離感であっても、

親が子へ、

子が親へ寄せる思いの深さは

何も変わらないのだから。

 

 

 

 

 

 

まるで心霊写真だ…。

 

 

 

 

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