家から少し遠い芝生の公園まで行って、

娘と自転車の猛特訓したのはいつの日か――。

 

 

 

頑張った末、

補助輪なしで前に進む姿は、
はじめて空に飛び立つ鳥のようで、

うれしさのあまり

僕は娘と抱き合って喜んだ。

 

 

 

そんな風に

一緒に自転車の特訓をした娘も、

来年はもう中学生になる。

 

満面の笑みを浮かべた危険な疾走も、
買ってすぐにライトを壊した失敗も、
いまはもうすべて懐かしい思い出だ。

 

 

 

「無料で引き取る」

という自転車屋さんのご厚意に飛びつき、

反射的に手放してしまった青い自転車。

 

 

 

お別れのとき、
あの日の景色がよみがえり、
不意に涙が込み上げてきた。

 

 

子どもの成長はなぜこんなにも早いのか――。

 

 

事後報告にしたのが良かったのか、

自転車を手放した事実に

娘は案外ケロッとしていたものの、
僕はせめて写真を撮っておけばよかったと

後悔している。

 

 

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