教える仕事をやっているとこういう事態に出くわすことはよくあります。
基本問題を教えたその場、その場ではできるけど、学習が進んで各章のまとめという形で基本を振り返ると今までできていたことができなくなっているケース。
これだけだと抽象的なので具体的に説明しますね。
数学であれば、
多項式の展開のパターンを一つ一つ教えたときはできる。
因数分解のパターンを一つ一つ教えたときはできる。
けど、まとめとして今まで教えたパターンを一辺に問うと自分が今何をやっているのか急に分からなくなる場合ですね。
社会であれば、
一問一答のような問題や基本的な空欄補充問題はできるけど、
正誤問題や記述問題になるとなんか知っている話なんだけど、どう解けばいいんだこれってなる状態ですね。
いわゆる基本はできるけど、応用はできないですってやつですな。
(まあ、本当の意味では基本が分かっていないんですが。こういう状態に陥っている生徒は往々にして、基本問題=問題集の各単元の最初のほうの問題程度の認識でいます。この認識をどう改めるかが重要です。)
こういう生徒は教えた知識と問題があまりに一体一対応しすぎているんですな。
まあ、理解があいまいなまま、とりあえず形だけマネしてある程度まではなんとか誤魔化せたんですけど、ガチの相手になると化けの皮が剥がれて、自分じゃ手に負えなくなるんですな。
いやー、ちゃんと理屈や流れを理解して、自分の中でちゃんとパターン把握できる状態になってないんですな。
この状態ってたとえるならば、ニッチローなんですな。
ニッチローって知ってます。あのイチローの物まね芸人として活躍している人です。
正直ニッチローのバッティンフォームだけ見るとイチローそっくりです。はい。
けど、当たり前のことですがニッチローはイチローみたいにバッティングができるわけではありません。
野球のことをちゃんと理解してやっているわけではないんで当然と言えば、当然です。ニッチローはあくまでバッティングフォームがイチローそっくりなだけで、イチローみたいにはプレーできないんです。
彼はお笑い芸人なので、まあ、そのバティングフォームはイチローなのにぜんぜんイチローみたいに打てないやんってのを笑いにできます。お笑いならニッチローでもいいんです。
けど、勉強においてはニッチローみたいなのは困るんです!
そう、基本の形のマネだけできて、実践になるとポンコツというニッチロー現象は困るんです!(勝手に僕が命名しました。)
さて、勉強においてニッチロー現象に陥っている生徒はどんな特徴があるんでしょうか?
僕の見た感じはこうです。
見た目の印象、前後の印象だけで覚えている、解いている。
先生に教わったことをよく分からずにとりあえずまねているだけ。
さて、どうやったらニッチロー現象を抜け出し、イチローのごとく問題を解いて、得点を積み重ねたらいいのでしょう?
そのためにはちゃんと本当の野球をやるならぬ、本当の学びをするですな。
ちゃんと理屈や流れを理解して、スムーズに問題を解けるようになる必要があるんですな。
では、そうなるにはどうすればいいのでしょうか?
まず基本問題に戻って、基本をかなり丁寧に復習しましょう!
ただ問題を解いて、できていたといった知識レベルの確認にすませてはいけません。
教科書や参考書を読んで、理解を深め、知識を整理しましょう!
教科書や参考書を読み終えたら、一度何が書いてあったか思い出しましょう!何を理解したかをハッキリさせるべく、どういう論理で説明されていたかを思い出しながら、自分なりに学んだことを言葉にして整理にしましょう!
そうしてから、基本問題を解きなおしましょう!
その際、解くプロセスをあえて一つ一つゆっくり丁寧に確認しましょう!
怪しいところがあれば、もう一度教科書、参考書に戻って理解を深めましょう!
そうしてから、学んだことを実際に授業をやる感じで説明しましょう!
もちろん人に教えるのはありです!
というか勉強面のイチローって、先生のように問題を解き、解説できる人のことなので、最初からそれを目指しましょう!