おすすめ度4
難易度1
少年院というハードな現場で多くの少年たちと向き合ってきた著書が彼らのいったい何が問題なのか、どう向き合ったたらよいのかについて考察する。
一般的には反省が足りないから、反省させよう、認知行動療法で認識の歪みを直そうというアプローチが非行少年になされるのだろう。
だが、著者はこれらのアプローチの有効性に疑問を持ち、非行少年のそもそもの知能や認知能力を検査してみた。
その結果、多くの非行少年は認知能力に難を抱えており、認知行動療法のような一定程度の認知能力を前提としたアプローチが有効でないことが明らかになった。
これがタイトルにつながるのだが、非行少年によってはケーキを五等分したり、少し複雑な図を写すことができない。
基本的な読む、聞くの能力に難があるため、正確に物事を認識できず、こちらの言っていることをめっちゃくちゃなものとして受け止めている可能性があるのだ。
また、非行少年は自分の行動がどうなっているのかを予測する力が弱いため、やったらヤバいことがヤバいことと思えないらしい。
うん、こういう状態では、反省文だ、認識行動療法だというアプローチは空回ってしまうわけだ。
そこで、著者は非行少年たちの基本的な認識能力を向上する努力をしているそうだ。
このアプローチは多いに賛同する。
既存のやり方に固執せず、目の前の少年に向き合っている姿勢に誠実さを感じるとともに、こういう地味で基礎的なアプローチが実は重要だと思うからだ。
この本に取り上げている例はかなり極端なものなんだが、基本的な認知能力に欠損があるとその後の高度な学習を積み上げるのはかなり困難。
ほんと、幼児期、小学校低学年の段階で認知訓練をしていくのは、社会の平和と繁栄ともに多いに役立つと思います。
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