ある知人男性が、

「自分の子供を叱ったことがない。

勝手に、こっちの都合で

子作りしたんだから、

子どもに、申し訳なさ過ぎて、

叱る気になれない」

 

と言っていて、

ちょっと思いだした。

 

私が、新卒で、

会社に就職した時の話。

 

会社の先輩(女)が、

上司から、ちょっとだけ

叱られた?

注意された?

みたいな、

しょうもないことで、

 

目を真っ赤にして泣いていて、

私はびっくりした。

 

内容は忘れたけれど、

上司は、そんなにきつくは

叱っていなかった。

 

泣いていた先輩は、

そのあと、休憩室に駆け込んで、

怒りをぶちまけていた。

 

「親にも叱られたことがないのに!」と。

 

自分の至らない点を指摘されて、

「親にも叱られたことがないのに」と

言いながら、

大人が泣くのは、

ちょっとびっくりする。

 

別の日に、

別の先輩(女)が、

取材先からクレームを受けて、

放送がボツになっただけで、

また、バカみたいに

泣いていて、

心の中で軽蔑した。

 

そりゃ、フリーマーケットで、

人の作った作品を

面白おかしく、

値切り倒して、

強引に、小銭を渡して、

その売り物を持ち帰ったら

相手は、怒るだろうよ。

 

同意があった?

そりゃ、同意させたかもしんない。

だけど、

あれは、同意とは言わないよ。

 

カメラの前で、

固まっているメディア素人相手に、

ふざけて、値切って、喜んで、

恥ずかしい企画だったので、

私は、ボツになってよかったと

思ったのを覚えている。

 

どっちが安くて

沢山の物を買えるかの企画で、

対決相手は、私だった。

くだらなすぎて絶句する。

 

それにしても、

しょうもないことで泣く人を

会社に入って、多く見た。

 

その時に思った。

 

子どものうちに、

叱られたり、

悲しい思いをしたり、

悔しい思いをしたり、

傷ついたりすることに、

免疫をつけておくことも

必要だと思う。

 

人は、

楽しい、嬉しい、

チヤホヤされる、

誰かが守ってくれる、

ばかりでは生きていけない。

 

ピアノ教室でも、

ちょっと子供が叱られただけで、

怒りをあらわにしたり、

逆に、泣いたりする

保護者を見ると、

哀れで、バカに見える。

 

子どもの頃に、

心を鍛えておくべきだ。

 

こんな理不尽で辛すぎる

世の中に生み落として、

申し訳ないと思うなら、

 

「だから、叱る気になれない」

じゃなくて、

 

この世の中で、たくましく

生きていけるように

心を強くしてあげたほうが

いいのにと思った。

 

私は、ネコを溺愛しているけれど、

彼女(ネコ)は、

幼稚園にも小学校にも行かないし、

就職もしないからいいけど、

 

子どもは、

そうじゃないのに、

 

叱られる免疫がなく、

傷ついたこともない大人に

育ててしまうほうが、

かわいそうに思う。

 

また、時代錯誤なことを

書いてしまった。