「音楽に本気なきみへ」

~イッサーリスと読むシューマンの助言~

(スティーブン・イッサリース著

 板倉克子訳  音楽之友社)より

 

「ショスタコービッチの協奏曲の

速くて、とんでもなく難しい曲は、

いったん楽譜どおりに

ものにしてしまえば、

時間とともに苦ではなくなるが、

その反面、

ベートーベンのソナタの

ゆったりとした楽章は、

最初に演奏したときの

約50倍の練習は必要とされる。

でも、

そのご褒美は、

また一段とすばらしい」

       抜粋終わり。

 

イッサーリスは、チェリストだが、

ピアノも同じ。

 

うちのレッスン生は、

鍵盤を打鍵することばかり考える。

 

どうして、

待てないんだ?

 

初心者で、

メトロノームにあわせられない人は、

たいてい、

速さについていけないのではなく、

自分勝手に、

さっさと進んでしまう。

 

ツッタカター

ツッタカター

西川のりおのギャグか?

 

そして、

ソナチネ、

ソナタレベルのレッスン生も、

なぜか、

1楽章と最終楽章のみ

張り切って、

緩徐楽章が、下手な人が多い。

 

「ゆったりとした楽章は、

最初に演奏したときの

約50倍の練習は必要とされる。」

 

その通りなのに、

 

なぜか、

最初に演奏した段階で、

「弾けた~」って

満足している人が多い。

 

まぁ、気持ちはわかるけどね。

 

私も、子供の頃は、

緩徐楽章を簡単だと

思っていたし、

おまけだと思っていた。

 

なんで、こんなものが

くっついているんだろう。

退屈で、

いらんもんがついてる。

 

そう思っていた。

 

CDを聴くときも、

2楽章は、とばして聴く

みたいなことをしていた。

 

今、私は、

滋味深さがわかるお年頃に

なった。

 

この感覚を、

レッスン生に伝えるのは

難しい。

 

なんとなく、

ピアノのテクニックでなく、

精神論のような気もしている。