村下孝蔵さんが、

弾き語りしている

動画を見ていた。

 

村下孝蔵さんは、

46歳で亡くなっているから、

私は、

その年齢を、3歳ほど追い越した。

 

だから、

どの映像を見ても、

私より、年下の孝蔵さんしか

存在しない。

 

なのに、あの映像を見ていると、

男としてではなく、

「父親として」

私を抱きしめてほしいような

感覚になる。

 

こんなことを書くと、

まるで、私が実父を早くに亡くし、

その影を追っているかのように

思われるかもしれないが、

今もなお、

実父は、元気にしている。

 

どうして、

あの映像を見て、

父性(ふせい)を感じるのだろうかと

考えてみると、

 

ギターを弾く様子が

赤ちゃんをあやしているように

見えるからかもしれない。

 

私は、昔、

コントラバスを

ちょっとだけ、

練習したことがあって、

 

その時、

 

コントラバスを弾くって、

男とダンスをしているような

男に抱きついているような、

男と戯れているような

色っぽい楽器だなって、

思ったことを

思い出した。

 

楽器って、

人間みたいだな。

 

ピアノの前に座ると、

車の運転席に

いるような気持ちになるけど。