何も楽器をやったことがない

誰にも習ったことない

というおっさん。

 

うちに来た時、

はじめから、5線の上の

音符は読めた。

ドレミ・・

音の長さ・・

 

家で、独学で勉強したんだろう。

 

ある曲の、1小節だけに、

「D」と書いてきた。

 

他の小節にコードは書いていない。

 

その小節を「D」とするのは、

問題なかった。

 

(そっか、そっか

この人は、コードがわかるのか。)

 

そう思って、一応聞いてみる。

 

「Dのコードは、わかるんですね?」

 

すると、

おっさんは。

ファ#・ラ・ドを、

左手の543の指を使って

ぎこちなく押さえる。

 

(ん?ルートは敢えて、

はずしているのかな?

無駄な力が、

あふれすぎて、

使っていない21の指が

びよ~ん・・と

上を向いている。

なんか、宇宙人みたい・・)

 

念のため聞いてみる。

 

「Dの音ってどれですか?」

 

おっさん、固まる。

 

(ええええ~?

そんなことってある?

じゃぁ、Dって

どういう意味で書いたんだ?

 

私も固まる。

・・・・

 

おっさん、思い出したように、

「Cがドだったから、レだ」。

 

(そうだけど・・

理解してないよね・・)

 

念のため、

私が、

「D」のコードを弾け

と言ってみると、

 

おっさん、

「Dm」のコードを押さえる。

 

Dが、「ファ♯」

になることも

知らないのに

(コードの話ね、

Dの音という意味ではない)

 

Dでは、

「ファ#」だと

知ってる。

 

2問のうち、

1問知ってたから

50点。

とはならない。

 

両方間違った人よりも、

採点は低い。

よって、0点以下だ。

 

なぜなら、

論理が破綻しているからだ。

 

わかってないのは、

承知の上で、指示する。

 

いじわるばばあ、

と呼ばれて結構。

 

「Dメジャーのスケール、

二長調の音階を、弾け」

 

おっさん、かたまる。

 

私が、なぜ、

そう指示したかも、

きっとわからないだろう。

 

全部、

つながっていることなのに。

 

挫折独学者には、

思考がない。

 

なんか、疲れた。

続きは、今度にしよう。