初めの顔合わせの時に、

「基礎は、やりたくない。

好きな曲だけ弾きたい」という

大人の初心者は多い。

 

ところで、初心者の言う

「基礎」って、何なんだ?

「基礎」って、何を指すのか?

 

「基礎はやりたくない」に含まれる、

その人の「やりたくないもの」は、

つまり、何なのか?

 

楽譜を読めなくても放っておいてくれ

ということなのか?

 

指が動かなくても、放っておいてくれ

ということなのか?

何を拒否しているのか?

 

「ピアノの基礎」が何かも知らないで、

「ピアノを弾くメカニズム」も知らないで、

「面倒なことをやりたくないな~」という

ぼんやりしたニュアンスで、

基礎を拒絶していないか?

 

ピアノが弾けなくても、

順調に生きていける。

ピアノは、人生の必須項目ではない。

 

しかし、ピアノをやるなら、

ある一定の上達へのカリキュラムに

従うべきだと思っている。

 

基礎をやりたくないなら、

ピアノを弾きたいと思わないほうがいい。

自己流で歌を歌えばいいじゃないか。

 

「基礎をやらない」といっても、

講師の選曲に従い、

指使いや、テクニックが計算された順番で、

幼児がやるような簡単な曲集から

やるならわかる。

 

でも、基礎はやらないという人は、

好き勝手な曲を選び、

延々と、時間とお金を浪費する。

 

「九九を学ぶつもりはないんです」と

言いながら、

長方形の面積を求めようとするようなものだ。

 

初心者にとって、基礎から学ぶことは、

最善の上達法だが、

敢えて、上達しない道を選ぶ人を、

バカだと思う。

 

人がピアノを弾くために、

どのような目の動き、指の動きをしているのか、

どういうメカニズムで、音楽が奏でられるか

想像もできないのだろう。