でSPS3010にノイズフィルタを入れることを検討しましたが、そのときに使ったトロイダルコアは詳細が不明のもの。
今回使ったコイルのインダクタンスを測定してみました。
コアは外形10mm、内径6mm、厚さ5mmです。
左からキャンセル巻きで7回巻き、15回巻き、8回巻き、7回密巻き(キャンセル巻きのコイルを1つ取り去ったもの)、7回粗巻き
Lを測る計測器を持ち合わせていないので、コイルに0.1uFのCをパラにして並列共振回路を作り、スペアナとトラッキングジェネレータで共振周波数fを測定して、インダクタンス値Lを算出しました。
Cは容量計で0.1uFの値のものを選別して使用しています。
共振回路の配線の様子
以下測定結果
半田付けによる熱の影響が残っているので値は参考程度です。
キャンセル巻きで7回巻き f=37.5kHz L=180uH
15回巻き f=15.2kHz L=1.1mH
このときは15回巻きで1mHを超えていました。
後で熱の影響を取り除くと1割程度インダクタンスは下がってしまいましたが。
8回巻き f=32.1kHz L=233uH
7回密巻き(キャンセル巻きのコイルを1つ取り去ったもの) f=36.8kHz L=187uH
7回粗巻き f=34.9kHz L=208uH
測定が終わってデータを整理すると思ったよりばらつきが多い!
ばらつきの影響を極力回避するため、同じコアを使って15回巻きのコイルを1回づつ少なくしていき、熱の影響も回避するため扇風機で強制空冷しスペアナのスキャンデータが安定するまで待ってから測定。
並列共振回路を形成するためのコンデンサは先と同じ0.1uF、線材は直径0.8mmです。
コイルの巻き数と共振周波数の関係
コイルの巻き数とインダクタンスの関係
コイルの巻き数とAL値の関係
だいぶばらつきが小さくなりました。
この結果から透磁率を計算すると9000で、かなり大きい値です。
飽和磁気密度を仮に1Tとしたとき、磁気飽和を起こす可能性のある電流値は1.7A turn。
15回巻きで使うと0.11A。
で使ったL4は直流電流による磁気飽和の観点では厳しいという計算結果ですね。
ただし、L4はノイズフィルタとして使っているので磁気飽和しても電源自体の動作がおかしくなる訳ではなく、ノイズの漏れが大きくなること。
フィルタにはコンデンサも使っているので、ノイズレベルの悪化度合いはコンデンサ君の頑張り次第ですね。
評価は0.2A流しての結果ですので、私の通常の使用では全く問題ないです。
(としておきましょう)