先日からAD9833を使ったDDSモジュールで遊んでいますが、今回はオーバークロックを検討。
オーバークロックについて検索するといくつか前例があり、JA9TTTの検討はとても参考になりました。
Aliexpressで50MHz、75MHz、100MHzの水晶発振器を購入。
最初からAD9833のオーバークロックの限界に近い100MHzの発振器に載せ替えます。
AD9833のDDSモジュールと100MHz発振器
基板上のC4(220pF)は後でLPFを検討する際に取り外しています。
クロックを100MHzにしても問題無く動作しました。
7.1MHzに設定したときの0から100MHz
クロックを100MHzにすると20MHzまでは自分自身の高調波とエイリアスが主なスプリアスですが、よくみると100MHzのクロックが漏れていて、このレベルが一番高くなっています。
以下は先日実施したスプリアスの検討結果
7.1MHzをスパン100Hzで拡大
綺麗な発振スペクトルです。
電源電圧は今まで5Vでしたが、今回は3.3Vにしています。
理由は、100MHzの発振器の消費電流が大きかったことと100MHzの発振器自身のスペクトルが動作電圧を下げた方が綺麗だったためです。
-60dBc以上のスプリアスはクロックの100MHzだけですが、一応7MHzの高調波も減衰させるフィルタを入れてみます。
安価(1本4円程度)に入手可能なリードインダクタ4.7uHを使います。
コンデンサもきりのいい値100pFと220pFに。
インダクタ
インダクタの自己共振周波数は67MHz
回路と特性(LTSPICEを使ったシミュレーション)
R11はAD9833の内部抵抗で200Ωとのことだったので、フィルタはインピーダンス200Ωで設計。
理想的にはすばらしい特性ですが、現実にはリードインダクタンスの影響を受けて特性は劣化します。
リードインダクタンス(L11の20nH:仮の値)を考慮した場合
実装に使った基板は、以前購入したMT3608を使った電源モジュールで、
配線をパターンカットしてランド部を使いました。
接続の様子
DDSモジュールのチップコンデンサC4(220pF)は流用できなかったので取り外しています。
フィルタ挿入後の特性 0から100MHz
とても綺麗になりました。
これなら、7MHzのCW送信機に十分使えますね。
ちなみにクロック75MHzでフィルタ無しの場合
7MHzの高調波のレベルがクロック100MHzのときより大分高かったです。