ひとりでなにか出来ると思って

なんか出来たような気がしてたけれど、結局は誰かに助けられていたという話。


#5月6日

大学生の頃に通い始めた音楽教室の発表会があった。

僕は「握月」のメンバー、中野くん、由宇さん
それと、5年前に生まれて始めて人の前でライブをやった時の

「reach for the moon」という
バンドのドラマー、
島田さんと

一曲だけ「孤高の星」という曲をやって、
いちおう入賞することが出来ました。
5位でした。

すごく楽しかった。
一人で過ごしてきた日々が
いつの間にかこんな風に誰かに聞いてもらえて、誰かと一緒に演奏できるなんて。

メンバー全員、

特に、僕をもう一度20歳の夏に連れてってくれた

島田さん。

あの日、「complite control」って叫んだあの時、僕の人生はきっと決まったんだよね。
たった一人のカラオケボックスから連れ出してくれてありがとうございました。

また会いましょう。



#5/7

池袋で尊敬する歌い手さんのレコーディングに参加。

久しぶりに自由に楽しそうに歌って、ギターを弾く彼の音楽の中でエレキを弾いて、一緒に歌ってとても楽しかった。

僕がもしドラムやめずに、ギターとも出会わなかったら彼のバンドに絶対に入っただろうな。
きっとこの音楽はまたバンドで聞ける日が来ると信じてます。





#5/15

「握月」の練習。
中野くんが仕事中に倒れてしまった。
3人で練習した。
終わったあとに中野くんに電話した。


#5/18

大好きなバンドのライブを池袋で見た。

「君のキライなサイテーな奴らが、笑う学校のプールの ニオイを 君はふとんの中でかいでる そして今日見た夢を僕に話す」
っていう歌を聞いて泣いた。

どうかずっと歌いつづけてね。



#5/25

「握月」の練習。
四人とも汗だくになった。
僕はこの日替えた弦が何故か切れた。
赤いテレキャスターを受付で借りてきて弾いた。




#5/26


一人で東京の楽器屋さんを回った。
昨日弾いたギターみたいのを探して色んなにとこに行った。

何処もかわいい女の子と口のうまい店員さんばっかで怖かった。

阿佐ヶ谷に行ったら、二階にある小さな楽器屋さんを見つけた。


控えめであまり目を合わせようとしない店員さんがいた。

壁に黄色と黒いピックガードが付いたギターがあった。

これ弾かせてくださいって言ったら
「あっハイ」
って小さな声で店員さんがそのギターを壁から降ろしてチューニングし始めた。

店員さんがぽろんと弾いたら、どの楽器屋さんでも聞いたことのない音がした。

手渡されて、僕が力いっぱい自分の曲のフレーズ弾いたら、お店が揺れるような音がして
慌てて店員さんがアンプのつまみを捻って音を小さくした。

お店の外に出て、二ヶ月の家賃ぐらいのお金を降ろしてきた。

店員さんに渡した。
「このギター、安いですね」
って言ったら、
「いやぁ、こういうものなんですよ」
って店員さんははにかむように笑っていた。

ギターがすごくうまい店員さんだった。




#5/29


音楽の事を考える暇がないぐらい仕事が忙しかった。
仕事が終わったあとに、みんなで掃除している時に先輩が窓を開けたら
涼しい風が入ってきた。