コロナ禍で人との接点がなくなり、さらに精神的な悩みを訴える方が増えている。
がん患者さんのこころのつらさは2つにわけられると上村先生は分析する。
『不安』と『気持ちの落ち込み』だ。
上村先生『”不安”は基本的にはこれからどうなるかってことに対する不安で”気持ちの落ち込み”とは何かを失ったことによって起きる気持ちの落ち込みのこと。この二つを上手く解消していくことが、不安とうまく対処するための方法という風に思っています。』
不安とうまく対処する”5つのコツ”
上村先生『まず一つ目は自分のサインを知る。人それぞれ心の辛さを感じる時のサインっていうのがあります。
私は仕事が煮詰まってきたりすごいストレスなことがあると、とたんに完璧を求めるようになったり、極端にキレイにしたくなったりするんですね。それで余計イライラしたりするってことがあります。
人それぞれ特有のサインがあるので自分は気持ちが辛くなった時はこういう症状になるよってことをまず知ってる事が一つです。
2つ目はとにかく誰にでもいいので辛いんだよってことを伝えるってことが重要です。重い病、特にがんを抱えていると不安や心配な気持ちが強くなることはほとんどの人がなるわけですですから、主治医や看護師さんに伝えられなくてもこういったチャンネルを持っていれば、相談するサイトありますし、精神科医、心療内科医や心理士さんっていうのは心のケアの専門家で精神疾患の患者さんだけを見ているわけではないのでどうぞ気軽に相談していただければという風に思います。』
上村先生『3つ目は、睡眠の症状というのに着目してほしいと思います。睡眠障害っていうのは、もっとも敏感な心の辛さのサインです。なぜか眠れなくなったっていう時はやはりストレスを抱えているということが多いかもしれません。辛さから来る不眠は間違いなく改善します。辛さが解消することで不眠は改善します。最近は依存や習慣性のない新しい睡眠薬も非常に多く出てきています。安心して飲める睡眠薬というのを(専門医に受診して)試してもらえばいいかなと思います。』
『4つ目は”不安”は二つに分けて考えるべきだろうと言われています。不安の要素には”安心していい不安”と”心配な不安”にわけられます。最も重要なのは安心できる不安には理由が明確なもの。今日はこんな嫌なことがあったとか、先行きこういうことが不安であるという明確な理由があるとき。心配な不安の代表的なのは”なぜかわからないけど不安になる”ということです。
表現ができる不安か、対処できる不安か、他人にわかってもらえると感じられる不安か、長く続かない不安か、そして不安があることで大きく生活に支障をきたしてるからきたしていないかが大事なポイントです。
なんか不安だなって感じた時に、そうかこういう理由で不安なんだなっていう風に分かればまだ経過を見ていいと思いますが何で不安なんだか分からないって言うような気持ちになった時は誰かに相談したほうがいいのかなと、私はひとつの目安にしています。』
『5つめはすぐに相談したほうがいい不安があります。なんとなくこういった不安は全て自分の弱さから来るんじゃないだとか、今病気になったのは自分の過去の行いが悪かったからじゃないかとか、全てを投げ出したい、なんか考えることにすごく時間がかかるようになった。全く夕食のメニューも決められなくなった、みたいな症状は少し急いで相談したほうがいいのかなという風に思います。』