はじめちゃんが、初めて家に来たのは

昨年の10月30日土砂降りの寒い朝でした。


初めての一時預かり。

一時預かりの最初の任務は仮の名前を付けること。


事前にもらった写真を見て、

ジャックちがうなー、ジョンちがうなー、

バウアー・・・・、太郎ん~


はじめ!初めての預かり子だからはじめ!!

うん!はじめちゃんて顔してるし。。。


はじめちゃん ガリガリの身体に立派な顔。

第一印象、この子顔が大きい?男の子だから?


そんなはじめちゃん

性格はおっとり、人間大好き。

ワンとの社交性問題なし。

相当頭が良いと美人獣医さんのお墨付き。

ただ、がうがう言われると、たまにガウガウ返し。



細かった身体もスタイルの良いコーギーに変身。

顔がでかいなどと言われる事もなく。


くまちゃん系のやばい可愛い子に。


趣味

サッカー、熟睡、腕枕で朝まで添い寝


チャームポイント

触り心地の良い耳と、これまた触り心地の良い大きな肉球



そんなはじめちゃんにも1つ受け付けない物が

それは、キウイ。


キウイを食べて目が痒くなって引っ掻いてしまった。


角膜に傷が付いてエリザベスカラーのお世話に

エリザベスカラーを付けても

ダンプカーのように突進するはじめちゃん


気が付いたらエリザベスカラーがおちょこ ひっくり返った;


そんな調子だから治りそうになると悪くしてを繰り返して

1ヶ月後とうとう専門医のお世話に。


コンタクトを付けて血清点眼。コンタクトは1週間装着。

すぐには落ちないから大丈夫よーと、言われるも

はじめちゃんコンタクトを一晩でとばす。><


しかーし、さすがはじめちゃん慌てる私をよそに

結果は一晩で劇的な治癒力。

この調子なら手術することなく完治できるかも。。。と

喜んでいた矢先


大地震。


かーちゃん、6時間半かけて歩いて、

動き出した直後の電車に飛びのって

家に着いたのが夜11時。

車に乗り換え友達を送り届けて帰宅が12時20分近く。


遅くても5時過ぎに帰宅する予定の外出だった。



たまたま別の部屋でお留守番をしていたあくびとはじめちゃん。

あくびもはじめちゃんも元気。

ほっと胸をなでおろして明かりを点けると


あくびの居た部屋はスチールの棚が45度ずれて空箱や軽いものが

散乱。


はじめちゃんの居たリビングは飾り棚の置物が全て

落下、破損。陶器やガラスの置物やランプが気持ちよく

割れていた。

それに。。。

鍵を閉め忘れたベランダ側の窓が開け放たれ

パニックを起したはじめちゃんが

置かれていたゴミ袋をケチらしあさったであろう酷い跡が。。。



それにしても本当に無事でよかった。



地震で揺れるビルから非難の為においだされ

目の前のビルがコンニャクを立てたみたいに

揺れてるのを見たとき手が震えた。。


9Fのこの部屋はどれだけ揺れたのだろうか。。






ぼーとした頭で9時頃朝ご飯。

いつもと変わらない。


ん?はじめ食いつきが悪いな。

そう聞こえたのが10時前

とーちゃんが毎朝あげるパンのみみ。


手までかじる勢いのはじめちゃんがそっぽ向く。

歩く。

嘔吐、でも1滴も何もでない。

うえ、と肩を丸めたとたん背中が一瞬でパンパンに膨張。


一瞬だった。

かーちゃん、咄嗟にいつもの提携病院へTEL

9時57分

ジャケットはおってはじめを台車にのせ

顔を洗うから待ってくれ。。。と言う

とーちゃん放って、駐車場へ。


すぐに後を追ってきたとーちゃんを運転手に

50分の距離の病院へ


ボランテイアさんに電話をかける

繋がらない。


50分遠くない?近くの病院のがいいかな??


とりあえず向かおう。様態が悪そうなら通りがかりに

飛び込もう。


10時20頃はじめちゃん

抱っこがくるしいのか後部座席に移動

吐く事も、座るのもつらい。

静かにソワソワしている。


歯ぐきが紫ーピンクに。。


とーちゃんこの先に○○病院あるでしょそこにしよう。


さっき通り過ぎた。

ここまできたらあと20分だから行こう。


病院に緊急の準備をしてもらいたくても

電話が通じない。

ボランティアさん経由で連絡してもらう。


11時前病院到着。

先の患者さんをのけて看て貰う。


レントゲンまでは早い。胃捻転の可能性があるね。

危ない。。。預かります。

午後手術します。


えーいますぐしてよ。。。

混雑した穏やかな待合室を見て思う。

でも。。。声に出せない。

獣医さんだ緊急だったらすぐ対処するはず。


きょろきょろする私

ふっと

診察台にのったはじめちゃんが静かにかーちゃんを

可愛い顔で見てた。

じーとみていた。


え。。。

はじめちゃんが私をみてる。

両目でしっかり見てる。

なんて思ってる私。


呼吸が浅いから微笑んでるようにみえる。





預かります。そういって先生後ろ手に診察室の戸を閉めた。


すぐに手術してー。。。


なんでそう言えなかったのだろう。

そう言えたら今後悔しないのに。


家を出る時、電話で様態の説明はちゃんとできてたのか?


近くの病院に駆け込んだほうが良いか相談すればよかった?


先生が2人いる近くの病院ならすぐ手術してくれたのではないか?




12時頃から手術しました。。。

胃を戻すと反転していた部分が黒く壊死し

血流は戻らなかったって。。。

はじめちゃん、目覚めなかったって。






病院から戻ってネットで調べると3時間以内なら生存率がいいらしい。

最初の異変から病院到着1時間。

よしよし。

はじめちゃん大丈夫。コーギーしたたかだし大丈夫。

そうだね、きっと大丈夫。


はじめちゃんが2度と怖い思いをしないように。

かーちゃん天井までの飾りだなを隣の部屋に移して

リビングを模様替えしはじめた。



胃捻転はご飯を食べた後急激な運動をするとなる事がある。

はじめちゃんご飯の後はいつもと変わらずまったりタイム。


思い当たるのは

昨日の地震でパニックを起して暴れまわったのではないかと言うこと。


もしかしたら昨日から反転しかけてたのかもしれないって。。



先生は何も言わず私達の質問に答える形で静かに応対してくれた。

でもどんなに質問しても

本当に言いたい一言はいえない。

11時に手術してくれていたなら、

開腹してくれたならはじめちゃんは助かったんじゃないですか。






2時13分

はじめちゃんだめだった。

ボランティアさんから電話が入った。



だめだったって。。。


え。。。それってもう死んじゃったってこと??


うん。そう。






リビングで寝ているはじめちゃん。

昨日と変わらず寝ている。


お腹にかけたタオルが動いてるように見える。


コーギー あくびの1日 (1月の午後撮影)


あの日と同じ顔で同じように穏やかな顔で

幸せオーラを出してる。



連れて帰ります。

そういって抱き上げたはじめちゃんを

見守ってくれていた何人もの看護士さん。

涙一杯で。。。目の周り真っ赤。


そうね

はじめちゃんに関わってくれた皆さんは

自分達のできる範囲で精一杯の事をしてくれてる。


助けてくれたCAT NAPさん、Happy Pawsさん

病院の皆さん、ブログを見てくれてる皆さん、

手が大きいな~、サッカーかっこいいな~、

はじめちゃんを撫でてくれた多くの皆さん。

ありがとうございました。



はじめちゃん


あなたが最後に見たかーちゃんはあきれるくらい

呆けた顔をしていたのではないですか?


かーちゃんにいやな事はされなかったですか?


ごはんはあんな感じで満足していた?




心残りは地震の時側にいてあげられなくてごめんね。


これからはずーと一緒だよ安心して熟睡していてね。


かーちゃんは、

サッカーしてるはじめちゃんに感動し、

はじめちゃんのしっとりした肉球をつかむのが好きでした。


その、安心しきった熟睡加減も、

腕枕した男ははじめちゃんが初めてだからね!

でもしびれて10分も持たないけど。

朝までお行儀よく寝てるはじめちゃん



本当に残念です。





家族に迎えようと検討してくださった皆さん。

いたらなくて本当にすいませんでした。