野狐三次の連続読みで「木っ端売り」から「入れ墨の由来」の繋がりに違和感があって、三次が大工となって町火消に組頭取の吉田屋秀五郎に見込まれるまでを描く「天王祭り」を一太郎さんに提案していた。一太郎さんがにぎわい座での連続読みでかけてくれるというので、ぜひにと参加。

🔵東家一太郎・東家美「野狐三次〜天王祭り」
🔶トークコーナー 布目英一にぎわい座館長
🔵一太郎・美「狼王ロボ」

➡︎天王祭りは牛頭天王を祀る夏祭りで、牛頭天王は疫病退散の神様になっている。江戸時代には盛んだったという。
 今の三次は腕利きの大工になっている。
 天王祭の日、呉服屋の秋田屋が両国の鍾馗組の若い者に強請られる。そこに現れた三次は鍾馗組の奴を懲らしめ見事に裁く。町火消に組の頭取吉田屋秀五郎は三次の人物に惚れるのだった。
 一太郎さんは、今日のようにカラッと晴れて暖かい日にこの夏祭りの話はいいと仰っていた。

➡︎木馬亭50周年に合わせて、以前は「月刊浪曲」の編集長も務めていらした布目館長に一太郎さんが木馬亭との関わりをお尋ねに。
 高校生で木馬館のどじょうすくいを観にこられたところから木馬亭との関わりが始まったそうだ。曲師の山本太一師匠の話、広沢瓢右衛門師匠の話、木馬亭の裏方もされていた浦若師匠の話、根岸浜吉氏の木馬亭での葬儀の話、国本武春師匠のの話、木馬亭20周年や30周年の時の話など多岐にわたる貴重なお話を聞けた。

➡︎狼王ロボはシートン動物記から一太郎さんが脚色された新作で、狼の群を率いるロボとシートンの戦いを通して、ロボの気高い生き様が描かれる。
 落ち着いた感じでしっかり物語を進行させ、ロボの死に至る最後を節と三味線で見事に盛り上げて聞かせてくれた。聞く者の心を打つ一太郎さんの代表作だ。
 美さんの三味線が実に安定していてしっかり物語をコントロールしている。見事だ。

次回は9月26日だそうだ。