前日完徹の後で木馬亭へ行き、中入りまでいて帰宅して2時間弱寝ただけだったので、もう10時間近くぐっすり眠った。体調良し!
太福さんから聞いた。今日は男性出演者が半数を越える珍しい番組。
すごくいい番組で素晴らしい会だったのにお客の入りが少し寂しかった。
🔵玉川太福・玉川鈴→天保水滸伝〜繁蔵売り出す
🔵浜乃一舟・東家美→記念の煙草
🔵東家一太郎・東家美→野狐三次〜大井川の義侠
🔶田辺鶴遊→後藤新平
🔴玉川こう福・東家美→母恋吹雪
🔴三門柳・伊丹秀敏→阿波の鳴門
➡︎芝清之氏の台本。まず太福さんの外題付が素晴らしかった。痺れるような声と節回しだった。次にこれまで聞いた時はマクラでお話になっていたことを本編の中で、講談で言う引ごとのように、少しずつ解説されるという展開を取られ、これがぴったりはまっていたこと。例えば繁蔵は五郎蔵の子分ではなかったとか繁蔵の実家は酒造ではなく醤油醸造だったなど。分かりやすさと親しみやすさが増している。これは太福さんの新しい手法になるのだろうか?
➡︎前から聞きたかった演題。貧しい家庭の子が父のための煙草を菊地政五郎という浅草の土木の親方に貰う。その20年後偶々殺人を犯した政五郎を成長して検事となっていたその子川上一郎が職を辞して弁護士となって無罪を勝ち取る。政五郎はそれを知り川上のアメリカ留学を支援する。という報恩の連鎖の美しい話。ただ一舟師匠の声と節で聞くと淡々とした展開がぴったりで、すっきり腑に落ちる。いつまでもお元気でいてほしいと願う。
➡︎一太郎さんの十八番で聞くごとに「上手いなあ」と思わされる。言うことなし❗️美さんの三味線は、一舟師匠の時の弟子としての優しさよりも一太郎さんの時は相三味線としての真剣勝負の厳しさを感じた。
➡︎鶴遊先生はいつ聞いてもピタッとハマる。本当に立板に水で素晴らしい。現地での実際の見聞もあって、このネタも腹にしっかり根を張ってるんだろうな。
➡︎こう福師匠のこのネタは二度目。三橋美智也の歌を浪曲化したもので、稲田和浩氏の脚本。六十代半ば過ぎでないとこのネタの世界は肌感覚がないだろう。三橋美智也を聞いたことのある人でないと、言い換えてもいい。この肌感覚がないと今の時代では薄っぺらに聞こえてしまうかもしれない。因みに私は肌感覚ありだし三橋美智也も父に付き合ってよく聞いた年齢。
➡︎柳師匠の阿波の鳴門も二度目。2019年9月2日の本ブログより引用。「元ネタは人形浄瑠璃の『傾城阿波の鳴門』で子殺しに終わる悲劇だが、この浪曲ではハッピーエンド。「ナルト」の表記は有名な富士月子師匠の浪曲では「鳴戸」。柳師匠のお声と雰囲気によくあったネタだなあとの感想。」今日も同じ印象を抱いた。
