①学生の頃、少し嵩張る、重い物を提げて2㎞くらいの駅まで歩いていた。
後ろから来た車が、親切にも駅まで乗せてくれた。
着いたら、「ありがとうございました」と言うべきなのに言わなかった。
生意気にも学生の分際で、タバコを買ってきて渡しながら礼を言おうと思って、荷物を持って駅の窓口に向かった。
しかし男性に、そう伝えたわけではなくて、こちらは黙って彼の元を去った。
彼がバツ悪そうに、こちらを見ていたのを覚えている。
もし、こちらの心づもりを口にすれば「そんなことをしなくていい」と、言われたであろう。
本当に申し訳ないことをした。
私は、社会経験が浅く、親からも、基礎的な礼儀を教わってなかったとも言える。
②初めて車関係の仕事をしたのは、鋼材を運ぶ大型トラックの助手。
ある日、配達の途中、運転手が、道を間違えたみたいだ。少しバックするから、左を見てて、と。
見てると、道の左側に竹材の束があって、(ああ、踏むな)と、分かったが黙ってたから、バリバリバリ!
「見てろって言っただろ!」
当たりそうなら、そうと伝えなきゃいけないと認識できてなかった❗️
③学生の頃、休暇で九州に帰省する時は、東京駅で何時間も待って急行列車の自由席を確保した。
或るとき、そうやって席にありつき、列車は発車した。席がなくて立っている客もいる。横浜辺りになると、5歳くらいの男児を連れたオバサンがそばに立っているが、子どもは疲れて眠り転けそうになる。「眠るな」と頬を叩いている。
気の毒だから、どうぞと席を譲った。
これが大失敗だった。
数時間代わってあげるとか言うべきだった。
そのオバサンは、まるで初めから自分で確保した席であるかのように、厚かましく座っている。
全く「情けは、人の為ならず」(これは本来とは違う意味)。
20歳くらいだった私は、そのオバサンに文句を言えなかった。
私は立ち通しで、疲れて眠り転けそうになった。姫路くらいまで行ったら、別な男性が、見かねて、私に代わってくれた。
気安く他人に席を譲るものではない。