何十年も前、仲間三人で映画を見に行きました。休日の第一回の上演を目指して行列の先頭にいました。

前評判の高いエレファントマンでしたが、私らの後ろには大勢がひしめいていました。開演時刻が近づくと、係員が、入口の鎖をはずしにかかりました。すると後ろの方から、ウォーッ!と、どよめきがあがりました。殺気だった者達がなだれ込もうとしているのです。

私は、とっさに、「押させるな!」と、怒鳴りました。係員に言ったつもりです。すると、どよめきは、ピタリと止まり誰も押してきませんでした。

映画が終わった後、仲間が私に、「お前、よく、あんな大声だせるな」と。

「危ないときは大声を出せばいいのだ」。


これ、いろんな場面で役立ちますから、覚えていてください。