何年も前、駅から路線バスに乗りました。

道は片側一車線ですが、違法駐車の車が、いっぱいでスムーズには走れません。

バスは直前にある自動車の後ろでタイミングを見ていて、対向車が切れたとき、今だ!ってんで右にハンドルを切りながら動きだしました。すると無謀な対向車が突っ込んできて、バスの中程で停まりました。それの前には別な車が駐車しています。

運転免許のない人は理解できないでしょうが、車が右にハンドルを切ると車体前部は右に動くのです。

その状況下ではバスがさらに進むと右側にいる車の右後部に当たります。

頭にきた私はバスの中程の窓から顔を出して言いました。

「あんたが、そこに居たらバスも動けないんだよ。いっぱいまで前に出ろや」。

セダンは、自車の前が、それの前と、どれくらいあいてるか、みえにくいです。でも上からだと、よくみえます。

車はそろそろと前に出ますが、「もおっと、もっと、もっと。ようし!」

かくして、バスは通過できました。

後方にいた男の客(たぶん酒が入ってた)が私に「ご苦労さん」。

(ふん。自分じゃやれないだろう)と腹の中で思いました。

バスの運転手から感謝されたのは勿論です。

狭い所で我先に進むのは却って自分の首を締めることにもなるという教訓でもあります。