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キューバで豪華ごはん

キューバのごはん、結論から言うと、めっちゃうまうまー。やっぱり、私は、旅先でごはんがおいしい所しか行きたくない。食べるために生きているのだ。


書いたかな?書いてないかもしれないが、キューバには2種類の通貨がある。ローカルのキューバ人が使うキューバのペソと、観光客が使うキューバドルの二種類だ。よっぽどローカルに近い生活をしない限り、観光客はキューバドルを使う事の方が多い。


ローカルのごはんは、それこそ100円ぐらいで一食食べられるのだけれど、観光客はそこそこのレストランで、そこそこの観光客値段を払う。ただ、イタリアやらフランスやら行ってきた人にとっては「やっすー!」と言いたくなる値段だ。例えば、前菜・メイン・モヒート付きのランチが、15ドル(1500円ぐらい)なのだ。


ホテルや高級レストランでランチやディナーともなると、そこそこになるけれど。それでも「高っ」と思う値段ではなかった。


パトリシアちゃんと会った日、午前中に観光を終えて昼になった頃、一通り歩き終えた。「お昼予定ある?」と私が聞くと、パトリシアちゃんは「ううん、ない。私が行く、おいしいお店にランチ行く?」と誘ってくれた。観光途中で、そこそこの観光客向けのバーで、ダイキリをおごったので、そのお返しに、彼女が行きつけのお昼でおごってあげるというのだ。


政府の仕事について、週3千円なので、このツアーガイドという仕事でバイトしてると聞いた後に、彼女におごってもらうのはとてもじゃないけれど気が引けて。こう提案してみた。


「あのね、私、一人旅でしょ?だからね、ちょっと高めの素敵なレストランに入るのが気が引けて。私が全部出すから、お願い。一緒に、そういうレストランに来てもらえる?旅の思い出に、ちょっと豪華なレストランに行きたいのだけれど、一人だからあきらめかけていたの」


パトリシアちゃんは、素直に「ええ?もちろん!私はいいけれど。予算が大丈夫な所でおいしい所をホテルのコンシェルジュの友達に聞くよ」と言ってくれたのだけれど。まだ、私のお財布事情を気にしているようだったので、一緒にコンシェルジュの所に行ってこう伝えた。


「値段は問わない。女子向けで、かわいくて、素敵で、女の子達が『わぁあああ』素敵!こういう所、行ってみたかったんだ!っていうようなお店に行きたい」と。まぁ、あれよ、インスタ映えする、おいしい所に行きたいのだ!と。


「わかりました!もちろんです!」と、コンシェルジュ。まぁ、そうだよね。私が前日に、タクシーを一人でハイヤーして、3時間で一人で一万五千円払ったの知ってるし。のどが乾いたら、割高なホテルのバーでダイキリ飲んでるの知ってるし(外に出れば、地元民の行く安い所もあります)。そもそも、この5つ星ホテルに泊まってる時点で、パトリシアちゃんの想像を超えたお金持ちなのだ、私は。この国では。


そんなわけで、コンシェルジュは私の意図を読んでくれ、すぐに素敵なレストランに予約を入れてくれた。


パトリシアちゃんと、「ドキドキするねぇ。どんな所だろうねぇ」と二人でわくわくしながら、コンシェルジュの渡してくれた地図を見て、大きな通りから一本入った細い路地にある古く歴史ある建物の前に来た。店の看板が道に出ているが、お店自体は2階にあがった所にあるらしかった。


二人で上がっていくと、連絡がすでに来ていたらしく、「パトリシア様と、Sango様でございますね。聞いておりますよ。どうぞ」と、私には英語で。パトリシアちゃんにはスペイン語で話すドアマン。


ひとり出張も多い上に、イタリア一人旅で、フルコースにワイン一本を一人で食べる私にとっては、慣れたやり取りなのだけれど。パトリシアちゃんが、横でわかりやすく、ぱぁぁ!と顔をほころばせていて、私も一緒に「わーい!」と喜んで見せた。


コンシェルジュのおじさん(いや、もしかしたら私より年下)が選んだ渾身のレストランらしく、私たちが通された席は、一番見晴らしのいい、素敵な席だった。そして、仰々しく、ウェイターがメニューを運んで来て、「お水はどうされます?」と聞いた。


私: お水、スパークリングとスティルとどっちが好き?

パトリシアちゃん: えっと。じゃあ、スティル。

私: わかった。ボトルは大きいのかな?

ウェイター: いえ、小さいものもありますよ。

私: じゃあ、彼女にはスティルを。私にはスパークリングを。

ウェイター: 他にお飲み物はどうされますか?ワインとか。

私: どんなダイキリありますか?おいしいのが飲みたい。

ウェイター: それでしたら、うちのバーテンダーがミックスフルーツの特製フローズンダイキリを作りますよ。

私: じゃあ、それにしようかな。パトリシアちゃんどうする?

パトリシアちゃん: じゃあ、私もそれで。


そして、運ばれてきたのは、女子向けのフルーツがいっぱいついたカワイイダイキリだった。「わぁああ、かわいいねぇ」と私が写真を撮ると、パトリシアちゃんも写真を撮った。どれだけ閉ざされていようと、女子の『映え・萌え』は世界共通だ。


そして、メニューを見始めた。

パトリシアちゃん: わぁ・・・食べた事ないものがたくさんあるな。どうしたらいいんだろう。

私: 私は、スターターもメインも食べる。

パトリシアちゃん: でも、高くなるよ。

私: ・・・よし。パトリシア、秘密を教えてあげよう。私、いくつに見える?

パトリシアちゃん: 私よりちょっとお姉さんかな。20代後半ぐらい。

私: いえ。私、多分、あなたのお母さんの年ぐらいよ。

パトリシアちゃん: うそっっっ。

私: アジア人は若く見られる上に、私、究極の童顔だから。でも、私、仕事を始めてもう20年たつ、アラフォーなのよ。そして、結婚もしていないし、子供もいないの。そこそこの企業で、そこそこの役職について、そこそこのお給料をもらっていて、自由に使えるの。

パトリシアちゃん: ・・・(絶句。本当に口開いてた)。

私: だからね、今日はあなたのラッキーな日だと思ったらいい。何故か知らないけれど、変な一人旅の日本人のおばさんが、急にお昼をおごってくれることになった。しかも、お金は気にしなくていいとか、狂った事言ってる。まぁ、いっか、私の日ごろの行いがよかったから、ラッキーなんだわ!と思って、好きなものを頼みなさい。これは、おばちゃんからの命令。

パトリシアちゃん: ・・・いいの?

私: うん。一番高いメニューでもいいんだよ。なんでも好きなものを好きなように頼もうよ。今日は、ちょっと変わった日だったな、とパトリシアが覚えていてくれる日であれば、よいから。

パトリシアちゃん: ・・・わかった・・・(と、めちゃくちゃ真剣にメニューを読みだす)。


そんなわけで、二人で、スターター、メイン、さらにデザートまでがっつりオーダーし。それでも、イタリアに比べたら、おフランスに比べたら、全然「やすー」と思える値段で二人分楽しんだ。

観光途中で休憩したバーにて。おいしいスタンダードなフローズンダイキリ。
セヴィーチェ。海鮮をレモンでマリネしてる。
魚介のスープ。
激甘なデザート。
アンティークなカップに入ったコーヒー。



二人とも食べ過ぎて、「本当に動けん・・・」という状態まで行き、なぜか、最後にパトリシアちゃんは、私のホテルまでくると「また明日ね!」と言って去っていった(笑)。もはや、ただのお友達になってしまった。











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キューバのホテル事情

キューバの市街地では、ほとんどの人が「カーサ(おうち)」という民宿に泊まる。政府公認の民宿(B&B)を経営している家族が多数いて、その家の一部屋に間借りして、簡単な朝ごはんを食べるのだ。調べてみると、まぁ当然、語学的な問題は出てくる。


スペイン語圏のキューバなので、当然スペイン語でカーサを経営している家族とやり取りするのだ。「英語できます」という謳い文句がある所があるし、グレードもあるので、それに気を付けて予約したらいい。今日日、日本にもいくつかキューバ観光の本が出ており、そういった本に出ているカーサは優良カーサだと思われる。


私は、ひとり旅の時に限っては『安全と時間はお金で解決する』という、いけ好かない心情で旅をするので、そこそこのホテルに泊まる事にした。政府公認の民宿が一般的な宿となるHavana市街地では、ホテルを見つけるのが難しかった。逆に郊外まで行ってしまえば、料理もアクティビティもこみこみのリゾートホテルがたくさんあり、美しいカリビアンブルーのビーチに、数か所あるホテルのレストランやバーで食べ方だいのみ方だいがある。


また、Havana市街地でも、旧市街からはちょっと離れる場所まで行けば、有名ホテルがたくさんある。ただ、よくあるアメリカ系のホテルは、案の定、まだあまり参入してないようだった。


さて、どうしようか。お金で解決する事になりそうだな・・・と、計画段階で私は思った。まぁ、そもそも、ツアー一切抜きで、キューバに一人で行ってみよう!とか言ってる時点で、お金をかけてでも安全は買おうと決めていた。よし・・・。


タクシー事情は本で読む限り、観光客はアンティークな車に乗りたがるし、実際に、アンティークタクシーがほとんどなので、結構高いという事がわかった。そもそも私は写真を撮る旅だ。だとすると、徒歩で旧市街をテクテクできる方がよい。ならば、ホテルは旧市街から近い方がいいのだ。


いくつかホテルサイトを見てみた所、米系ホテルサイトにはほとんどキューバのホテルが乗っていない事がわかった。やっぱり、そうか・・・と思いながら、ヨーロッパ系、カナダ系など、米系以外を探る。そうすると、いくつか見つかった。


ホテルサイトの中で、市街地近く、そして★の数で絞り込む。口コミもかなり読み込んだ。その上で、最終的に3つぐらいのホテルに絞り込んだ。その3つのうち、一番高い所にした。まじ、高い。多分、今まで一番じゃないかしら・・・。


Iberostar Parque Central....ででーん、五つ星です。人生初の五つ星。と言ってもですね、キューバ・ハバナなので、そうね・・・ホテルの外観や部屋は、アジアの3★、ヨーロッパの4★ぐらいの感じでした。サービスは、すんっっっごいフレンドリー。でも5つ星でもWi-Fiはロビーと屋上のプールにしかない。


ホテルの屋上のプール。
屋上からの眺め。

多分、一人でふらふらとHavanaに旅に来るアジア人女性は少ないのだと思う。しかも、私はいい年してるくせに、すんごく童顔なのだ。ちなみに、イタリアの小さな村の仲良しB&Bのお兄さんは、私のパスポートを見て「えええええっ?24・5歳ぐらいかと思ってたよ!」と驚き、村中に私の実年齢を言いふらしておった。ヤメロ。


なので、童顔なアジア人の若い女子が、おとうのお金で5つ星ホテルに泊まりに来た・・・とでも思われていたと思う。

ちがいますよ。かなりのお歳の独身ひとり女性が、身銭切って安全と快適さを買うためにこのホテルに泊まってるんですよ。この旅が終わったら、もれなくおかずはモヤシと卵炒めになりそうなので、この旅でいくら太ってもよかろうと思ってる人なんですよ・・・。


しかも、安全と快適さはお金で買うために、五つ星ホテルにしたのだ。当然、コンシェルジュもこき使う。そのためには、そこそこ見栄えのする服装も心がける。時々アジア人で、高いホテルに泊まっているのに、その服装?!と驚く事があるのだけれど。悲しいかな、人間って外見で人を判断するものなのだ。だから、私はホテルのスタッフに覚えてもらうためにも、数日間は、品の良いお金持ち風の服装を選んで着る。とは言っても、ユニクロで完成する上下よ。『風』だから。白い麻のシャツに、麻のパンツ。エスパドリーユに、ストローハット。品よさげな大きめのイヤリングにサングラス。「私、ひとり旅が趣味な小金持ちですの・・・」といった雰囲気を醸し出すのだ。


私: あの・・・車で回れるツアーを申し込みたいのだけれど。

コンシェルジュ: もちろんです。半日?一日?

私: どっちのツアーが多いの?ヘミングウェイミュージアムにも行ってみたいけれど。

コンシェルジュ: でしたら、半日がよいかと思いますよ。

私: どういう所を回るのか、決まってるの?

コンシェルジュ: 人数が集まれば、今日の午後にでも。集まらないなら、明日の朝なら、多分、一人ぐらい足せますよ。車なので、だいたい5人なのです。

私: 自分ひとりで車を雇うってできる?

コンシェルジュ: あっ・・・もちろん!できますよ!その場合、料金は高くなりますが。

私: さっき提示されてた値段X5って事?

コンシェルジュ: 特別に割引できるドライバーを用意しますよ。

私: そう?じゃあ、お願いしようかな。時間制なの?

コンシェルジュ: そうですね、1時間で4000円から5000円ぐらい。

私: そう。じゃあ、ヘミングウェイミュージアムと、ここと、ここを回ったらどのぐらい?

コンシェルジュ: 3時間もあれば十分かと。おひとりで回られるんですし。

私: ドライバーは英語できる?

コンシェルジュ: 英語できる人を探します。

私: じゃあ、お願いするわ。


ってな具合で~。内心「ひゃー。1万5せんえんかよ、3時間で!まじか、痛いなおい。何日間モヤシ生活すれば、大丈夫かな・・・」と頭で計算しているのですが・・・。いや、行くぜ。

2時間後にロビーに行くと、コンシェルジュのおじさん(いや、多分私とそう変わらん・・・)が、「いい車とドライバーが見つかったよ!最高クラスだよ!」とドライバーを教えてくれた。


そこには、いかにも「俺、今バブルきてるんすよ」っていう感じの、私より多分年下であろう、一見セレブ風味を醸し出した男が立っていた。名前は・・・忘れた。本当に忘れた。それぐらいどうでもいい感じだった(笑)。でも、名前必要なので・・・乗っていた車の名前から「インパラさん」とでもしようか。そうだなぁ・・・007のダニエル・クレイグを派手に、そして、超チャラくした感じを思い浮かべてください。


インパラ: 初めまして!どこに行きたい?


ってなわけで、このドライバー、私を金持ちの小娘だと思ったのか、私が伝えた場所以外にも連れて行き、しかも、サービスだと言って、一杯おごってくれた代わりに、私に昼飯をおごらせ、そして自分の息子の誕生日に自転車買いたいのだと言って、高級住宅地にあるモールにまで付き合わせ、私が写真撮るの趣味だと言ったら、自分の車を最高のロケーションで撮らせてやると、変な場所に連れて行った。臭いローカルビーチ。


この背景で撮れと言われて撮った写真。死ぬほどダサい。

結論から言う。

余計なサービス満載だったが、「なるほどね。成金タクシードライバーってこんな感じの生活か」と分かったので、よしとする。

君が好きだと思ってと言って連れてこられた、よくわからない港。
ヘミングウェイが来たことあるレストラン。
対岸からのHavana。
キューバのガウディと呼ばれたおじいさんのアトリエ。
インパラの助手席。



このインパラさん、働きまくってお金を作って、ロシアに渡り、ロシアで料理人をしばらくしていたが、キューバに戻ってきた。そこで、観光ガイドを始めた所、ロシア人の一人旅の金持ち女がたまたま彼にガイドをお願いし、彼を気に入ってしまって1か月の滞在をした。その1か月の間、当然、ガイド以外にも、リゾートホテルについて行ったりし。要するに「おヒモ」要員として重宝されたらしい。ロシアに一緒に来てほしいと言われたが、その時には現在の妻とすでに付き合っており、妻と一緒の人生を歩む事にしたんだ・・・と美談のように話していた成金ヒモ・浮気男・タクシードライバーだった。


「へぇ」「そうなんだ」「それで?」と、彼に興味があるわけではなく、成金キューバ人の話を聞くという滅多にない機会に相槌を打っていたら、気をよくしたのか、自分がよくセレブに呼ばれて行くというヨットハーバーや、高級住宅地の間にある公園もドライブで連れて行ってくれた。


はっきり言う。いや、大したことない。そりゃそうだ。キューバなんだもの。Havanaなんだものね。


ともあれ、面白い一日を終わって、ホテルに戻ってきた。

コンシェルジュ: 今日のドライブはいかがでした?

私: ありがとう。英語で興味深い話も聞けたし、楽しかった。明日は、市街地を歩いてツアーしたいんだけれど。誰かお願いできる?

コンシェルジュ: わかりました。手配します。


こうやって、私はパトリシアちゃんと出会ったのだった。



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Daiquiri(ダイキリ)とMojito(モヒート)

キューバといえばHavana Club。ラム酒です。そしてこのラム酒を使った代表的なカクテルがダイキリとモヒート。

ダイキリはスタンダードなものからフルーツを入れたものまであり、特に夏場はブレンダー氷を砕いたフローズンダイキリが美味しい。私は、このフローズンダイキリを、ほぼ1-2時間おきに飲んでいた。

ヘミングウェイが愛したダイキリ屋さんは観光客でいっぱいすぎて諦めたが、一日中喉が乾いたらダイキリモヒートを飲んで過ごしてました。ただの飲んだくれ。
下の写真が、ヘミングウェイが愛したダイキリが有名なバー。中にヘミングウェイの像があり、そのブロンズ像と写真を撮るために観光客がいっぱいになる。何度か行ってみたが、常に観光客でいっぱいなので、あきらめた。
30度ごえなのでシャリシャリのフローズンダイキリはありがたいし、食事の前にも後にも良い。暑い中観光で歩きまくって、フローズンダイキリ、最後にデザートとしてフローズンダイキリ。もう、それで私は満足。



ホテルのバーで毎日アホみたいに「フルーツダイキリ」頼んでたら、グラスに入りきらなかったおまけもくれる感じになった。多分、観光客はみんなちゃんと出かけて、よいバーに行くのだろう。私は、面倒くさいので、ホテル内のバーに何度も通った。味がおいしけりゃなんでもよいのです。これは、スイカのダイキリ。
パパイヤダイキリ美味しすぎ。あるフルーツによって作れるフレーバーが決まるので、バーテンダーに「今日のフルーツダイキリ、何ができる?」と聞くのも楽しみになった。
ヘミングウェイも好きだったらしいモヒート屋さん。ここも混みすぎてて諦めた。前を通るだけでも、人が多すぎて、写真すら撮れなかったので、午前中のまだ空いていない時間に見に来たら、閉まってた。流石にあさイチじゃやってないか・・・。
郊外で飲んだブルーダイキリ。

タクシードライバーに郊外ツアーを頼んだら、ヘミングウェイの友達である漁師が仲良くしている店長のレストランにあるヘミングウェイも来たことあるバー、という所に連れてこられた。いや遠すぎだろ。ヘミングウェイも来た事あるバーで、いいんじゃないの?と聞いたら、老人と海を書くきっかけとなった漁師のお友達がよく来てたレストランだから、と解説された。

なんでも、ヘミングウェイ押し。

でもまた行きたい。飲みに。

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外国へ行けないキューバ人

この旅で、最初に2日間はタクシードライバー、そのあと数日はパトリシアちゃんと過ごした。

2人と話して改めて気がついたのはキューバ人は気軽には海外に行けないという事。まずどこに行くにもビザが必要だ。しかもビザの申請には途方もない条件が付く事が多い。どこの国でも行けちゃうパスポート常に上位の日本のパスポートを持っている私には考えられないもの。

持ち家証明。預金残高証明。

つまり、私はキューバが基盤であり、お金持っていて、旅行に行くだけで、移住するつもりもないし、帰ってくる場所はここですよ、と証明しないといけないのだ。

それをしても渡航できる国は限られている。1番いきやすいのはロシアだそうで、持ち家照明と200万以上の貯金で認められたとタクシードライバーが言っていた。

パトリシアちゃん曰く、パスポート取るにも10万円だったか20万円ほどかかるらしく、とてもそんな事は出来ない、と。

「でもフロリダに私の叔母がいる。もう20年以上会った事ないけど」

とちょっと誇らしげにパトリシアちゃんは言った。

「海外行くならどこ行きたい?何したい?」と聞いたら。

「物価の安いところ。オートバイを買う。で、持って帰って売るの。税金払っても、すごく高く売れるから」

自分で聞いておいて、後悔した。「旅行」なんか何の役にも立たないのだ。自分が恵まれてる事を自覚すると同時に、罪悪感も湧いた。

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一年経ってしまった…

去年キューバに思い切って行って、良かったーー!!と人に進めまくっている割に、振り返りたびブログが止まっていた。何故か…。

理由があります。

実はキューバに居た数日間で仲良くなった大学卒業したばかりの女の子が居た。泊まっていたホテルに、歩いて観光がしたから、ツアーガイド紹介して欲しいとお願いしたら彼女がロビーで待っていた。

「歳が近い女の子が良いかと思って、パトリシアにお願いしたよ」との事。

絶対親子ほどの歳の差だけど、アジア人ってお得…と思いながら、彼女と握手をし街歩きを始めた。

旧市街を歩きながら、周辺の建築物を紹介してくれる。

パトリシア「これ、私のお気に入りの建築物の一つなの。外観の壮大さに比べて内観が繊細で」と、やたらに建築に詳しいので聞いてみると、建築士だった。

「大学は3年行った。だからその分3年間政府のために働くの。お給料は激安。週に3千円ほど。それじゃ暮らしていけないからガイドのバイトをしているの」

ガイドは1.5時間で5千円ほど。ガイド料としては適正だと思うので政府のお給料が安いのだ。

共産国家故、最低限の物資配給や、医療や学費免除はあり、極端なお金持ちは居ないが、外貨が入るようになってから、特に観光客が増えてから、貧富の差は大きくなりつつある。


今一番お金があるのはクラッシックカーをもつタクシー会社運営主だ。法外な値段で取引される人気クラッシックカーはメンテナンスも大変で生活には使えないが、観光客相手のタクシーとして人気が高い。

お医者様が儲からないのでタクシードライバーに転職なんて話も珍しくないらしい。

私も流行り物好きなので、そういうタクシーに2日間お世話になったが、正直数時間で良いなと思った。

パトリシアちゃんはにこやかに、この国の内情を教えてくれた。多分、観光客に聞かれ慣れているのだと思う。

中でも私を一年もこのキューバ旅のブログ更新から遠ざけてしまう話がきつかった。

つづく

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