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政治学から見るAKB総選挙

政治学から見るとAKB選抜総選挙は興味深い要素が盛りだくさん。
それらの解説を通して、政治学も学んでもらおうというブログです。

前回までは、AKB総選挙の衆議院的な側面と参議院的な側面とを見てきましたが、こうして見てくると、AKB総選挙は、衆議院・参議院両方の性格を持っているともいえ、衆議院的な側面と参議院的な側面とが混在した「多層的」な選挙であると見ることができるでしょう。




ただし、衆議院的な側面と参議院的な側面どちら焦点を当てるにしても、現実の選挙と大きく異なるのはその任期の短さです。




衆議院の任期は4年と、参議院の6年に比べればその任期は短く、更に、解散があるので、その任期を全うせずに選挙となることが多いですから、選挙間の年数は4年よりも更に短くなります。ただし、短いとはいえAKB総選挙のように1年という期間ではあまり選挙は行われません。また、次回選挙まで任期を全うできるとはいえ、次の選挙は1年後にすぐにやってきてしまいます。その意味でAKB総選挙は、解散はないものの常に選挙に向けた準備にさらされているともいえるでしょう。


(常に選挙に向けた準備にさらされているという意味では、衆議院と同じですね)


さて、「総選挙」の名の通り、AKB総選挙が衆議院的な性格を強めて、「内閣不信任決議」や「解散」のシステムが導入されたら、AKB総選挙はどうなるでしょう。AKB総選挙における「内閣不信任決議」や「解散」の意味をどう位置付けるのかということは置いておくとして(それはそれで、非常に興味深いですが)、少なくとも選挙のサイクルが更に短くなることは明らかです。




逆に、参議院的な性格を強めて、「半数改選」のシステムが導入されたら、AKB総選挙はどうなるでしょう。その場合も選挙の回数は単純に2倍になるわけですから、選挙のサイクルが現在の半分になり、やはり短くなることも考えられます(期間が倍になるということも考えられますが)。




 選挙が民意を反映させる手段の1つであるとするならば、AKB総選挙は、現実の選挙と比べて民意を反映させる機会をより多く持っていて、更には、潜在的にもそうした機会を多く持っているということができるのかもしれません。








前回はAKB総選挙の衆議院的な選挙の側面を見てみました。今回は、参議院的選挙の側面について見てみましょう。



まずは、参議院の選挙について確認してみましょう。参議院の選挙は「総選挙」ではなく「通常選挙」と呼ばれています。参議院で選挙が行われるのは、任期(6年)が満了した時です。参議院には解散はありませんから、一度当選すれば、6年間は議員でいられることになります。また、参議院では一度の選挙で議員の半数ずつの改選で、それが交互に行われています。つまり、選挙は3年に1回定期的に行われることになっています。



そうした視点でAKB総選挙を眺めてみると、実はAKB総選挙には参議院的な側面もあるといえそうです。その中でも大きな類似点の1つは、いわゆる「解散」がないという点です。解散がなければ任期は全うできますから、次回選挙までは実質的に議員(メンバー)でいられることが、参議院的な側面の特徴的なところであるといえます。



また、「解散」がないという特徴は、もう1つの類似点をもたらします。つまり、イレギュラーな選挙は行われず、選挙が定期的に行われるということです。さきほど確認したように、参院選は定期的に行われます。AKB総選挙はこれまで2009年、2010年、2011年と3度行われてきましたが、選挙が毎年、定期的に開催されるようになりつつあるという点では、参議院的な側面を持ちつつあるともいえるのです。



ただし、AKB総選挙には参議院選挙の特徴である「半数改選」の制度はありません。前回確認したように、一度に全ての議員(メンバー)が選出されます。半数改選とは、議員にとっては、「自分が有権者に直接選ばれる選挙」と「自分が有権者に直接選ばれるわけではないけれども、その結果は自分にとっても重要な選挙」とが交互にやってくることを意味します。後者の場合、その結果によっては、参議院の議員構成、更には、参議院の議席割合を大きく変えてしまうこともあります。つまり、自分が有権者に選出される選挙ではないので、その結果がどうであれ、自身の任期には影響はないけれども、その結果によっては自身を取り巻く環境を一変させてしまう可能性を持ったイベントであることを意味し、それが自身の任期のちょうど中間でやってくるのです。



そうした意味では、“有権者”に直接選ばれるわけではないけれども、環境を一変させ得る任期途中の一大イベント・・・「じゃんけん大会」ですね。






前回までは、AKB総選挙は選挙といえるのかということを見てきましたが、今回は、「総選挙」という言葉そのものについて考えてみましょう。



「総選挙」と一口にいいますが、実は日本の国政選挙では、一般に「総選挙」と呼ぶのは衆議院議員の選挙で、参議院の選挙は「通常選挙」と呼ばれています。衆議院と参議院とではその呼び方が違っているのです。



AKB総選挙は、「総選挙」との名前を冠しています。したがって、衆議院的な選挙の側面を持っているといえそうです。そもそも衆議院の選挙は、任期(4年)が満了した時と解散が行われた時とに行われ、衆議院議員は全員(総て)が一度に選出されます。また、衆議院では、内閣不信任決議が可決され、内閣の総辞職が選択されなければ衆議院は解散となって選挙が行われます。議員は全員(総て)が一度に選出されるというのは、つまり、全議員が一旦クビになった上で選挙が行われるということを意味しています。



さて、AKB総選挙はどうでしょうか。一度に総てのメンバーが選挙の対象になるという点では衆議院と同じですから「総選挙」といえるでしょう。しかし、AKB総選挙にはいわゆる「解散」がありませんから、任期中?(次回選挙まで)は実質的に議員(メンバー)でいられることについては、衆議院とは少し異なるようです。



現実の世界では、衆議院ではいつ解散があるかは分かりませんから、任期を全うできるとは限りません。衆議院議員は常に選挙に向けた準備にさらされているのです。政治家は「選挙に落ちればただの人」といわれるように、次回選挙でも当選し議員であり続けることが重要な要素のひとつです。ですから、いつ起こるかわからない選挙に対して常に準備が必要になってくるのです。


 AKB総選挙では、確かに「総選挙」によって順位が決まり、選抜メンバーが選出されます(AKB総選挙によって選出されるカテゴリは様々あるので、何を当選とみなすかについては議論がありそうですが、今回は選抜メンバーとしておきます)。その意味では、選抜メンバーの枠に入れるかどうかは大きな意味を持ちますが、残念ながら選抜メンバーに選出されなかったとしても(選挙に落ちても)、少なくともAKB48のメンバーであることには変わりはなさそうです。