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政治学から見るAKB総選挙

政治学から見るとAKB選抜総選挙は興味深い要素が盛りだくさん。
それらの解説を通して、政治学も学んでもらおうというブログです。

  以前にも少し書きましたが、政治家は「選挙に落ちればただの人」ともいわれ、政治家にとって選挙での当選(落選)は、死活的に重要な問題です。一方AKB総選挙ではどうでしょう。「AKBメンバーは総選挙に落ちればただの人」でしょうか?ご存知のように、そんなことはありませんね。例え総選挙で1票も入らなかったとしてもAKBメンバーでいられます。


  もし、「『落選』したメンバーはAKBをクビ」という制度が導入されたらどうなるでしょうか?選挙結果に変化は生じるのでしょうか?


  これも以前少し書いたように、AKB総選挙では、選挙によって選出されるカテゴリがいくつかあるので(「アンダーガールズ」「選抜メンバー」「メディア選抜」「センター」など)、何をもって「当選(落選)」とするかは難しいところです。今回はとりあえず便宜的に、「アンダーガールズ」まで(40位以内)を「当選」、40位以下を「落選」としましょう。


  生じる可能性が高い変化として真っ先に思突くのは、「落選」の可能性が高い(「過去の総選挙で下位」など)メンバーの票が増加するということです。「落選」の可能性が高いメンバーを「推し」ているファンは、当然ながらこれまで以上に必死に投票するでしょう。


  しかし、「落選」の可能性が高いメンバーの票数の増加は必ずしも順位の変動に結びつくとは限りません。例えば、この様なルールの導入によって「下位メンバーの票が増加すること」は簡単に予想されるため、その増加によって追い抜かれないように、上位のメンバーを推しているファンも投票数を増加させることが考えられます。


  他にも、今まで複数票の投票先を分散させていた(例えば2票持っている人が、1票は自分の「推しメン」へ投票し、もう1票は前田or大島に投票、など)人が、自分の「推しメン」だけに投票先を集中させた結果、票が全体にばらける可能性もあります。


  また、このような制度が導入された場合、「総選挙参加を辞退する」というメンバーが出てくるなど、選挙のあり方により根本的な変化が生じるかもしれません。


  選挙結果が必ずしも「制度」の変化の影響を受けるとは限りませんが、「制度」が有権者の投票行動や立候補の動向を左右することもまた事実です。選挙を深く理解するためには、立候補者だけでなくその「制度」にも注目してみることが必要です。


  もし本当に、「『落選』したメンバーはAKBをクビ」という制度が導入されたらどうなるか、怖いけれど見ていたい気もしますね。

  第3回総選挙の事前予測では、板野友美の躍進が期待されていました。ソロデビュー曲が大ヒットし、「女子小中学生のカリスマ」とまで呼ばれるようになった板野友美は、大きく票を伸ばすだろうと言われていたのです。


  しかし結果は8位と順位を1つ下げてしまい、いわゆる「神の7人」が崩れてしまいました。一体何故でしょうか?


  これについては開票直後から多くの人が分析をしてきました。最も多く言われたのは、「板野友美のファン層は購買力が低い」ということです。


  板野友美のファンの中心を構成していると思われる女子小中学生は(おそらく)豊富な資金を持っているわけではありません。少ないおこずかいをやり繰りしていることでしょう。したがって、CDを大量購入して1人で大量票を投入することはおろか、1票を投じることに対するハードルさえ高かったかもしれません。


  また、板野友美のファンは、「ソロ・アーティストとしての板野友美のファン」であり、AKB内での順位にそれほどこだわりが無い、というのも考えられる理由です。


  この板野友美の例からも分かるように、AKB総選挙では人気がそのまま得票に結びつくとは限りません。以前総選挙は「熱意を組み込んだ選挙」ではないか、という記事を書きましたが、「熱意だけに支えられる人気投票」とも違うということです。AKB総選挙は、「選挙」と「人気投票」の間にある、新しい何かなのかもしれません。

  何を研究するにも「資料」や「データ」が必要です。そこで今回はAKB総選挙を研究するための基本的な資料やデータをご紹介します。なお今回の紹介は、「公認」「公式」のものに限りました。


1.総選挙に直接関わるもの

①公式ガイドブック

『AKB48総選挙公式ガイドブック』(講談社、2010年)
『AKB48総選挙公式ガイドブック 2011』(講談社、2011年)
…総選挙全立候補者の紹介を始め、各種情報が詰まったAKB総選挙について研究するための最も基本的な文献です。

②水着サプライズ

『AKB48総選挙!水着サプライズ発表 』(集英社、2009年)
『AKB48総選挙!水着サプライズ発表 2010』(集英社、2010年)
『AKB48総選挙!水着サプライズ発表 2011』(集英社、2011年)
…総選挙の結果をまとめたムック本。総選挙についてのメンバーのコメント、開票日当日のルポなどが参考になります。また、全立候補者の選挙ポスターが紹介されているので、それも選挙研究には役立ちます。

③政治山

AKB48 22nd シングル選抜総選挙 投票分析結果:政治山
http://seijiyama.jp/investigation/investigation_akb48.html
…第3回総選挙では投票者へのアンケートが実施され、その分析結果が公表されています。AKB総選挙を研究するための貴重なデータです。


2.総選挙に直接関わらないもの

①AKBの歴史

週刊プレイボーイ編集部編『AKB48ヒストリー研究生公式教本』(集英社、2011年)
…AKB結成時から2010年までのAKBの足跡がまとめられています。AKBの「歴史」を知るためには必須の本です。

②AKBを特集した雑誌

『Quick Japan Vol.87 AKB48永久保存版大特集』(クイック・ジャパン、2009年)
…メンバーや秋元康氏を始めとした関係者へのインタビューを含め、100頁にわたりAKBを特集した充実の雑誌です。

③秋元康の本

NHK「仕事のすすめ」制作班編『秋元康の仕事術』(NHK出版、2011年)
秋元康『企画脳』(PHP研究所、2009年)
…AKB48の、そして総選挙の「生みの親」である秋元康氏。総選挙はどのような発想に基づいて生まれたのか。これらの本にヒントを見出すことが出来るかもしれません。

④その他お勧め公式ムック本

『AKB48じゃんけん選抜公式ガイドブック』(光文社、2010年)
『AKB48じゃんけん大会総集合 保存版』(光文社、2010年)
『AKB48じゃんけん大会公式ガイドブック2011』(光文社、2011年)
『FLASH増刊 まるっとAKB48スペシャル』(光文社、2011年)
『FLASH増刊 まるっとAKB48スペシャル2』(光文社、2011年)
『別冊宝島 AKB推し!』(宝島社、2011年)
…「公式本」はこの他にもたくさんありますが、AKBについての基礎知識を得るためには特にこれらが有用でしょう。

⑤公式サイト

AKB48公式サイト:http://www.akb48.co.jp/
SKE48 OFFICIAL WEBSITE:http://www.ske48.co.jp/
NMB48公式サイト:http://www.nmb48.com/
AKB48 OFFICIAL BLOG~TOKYO DOMEまでの軌跡:http://ameblo.jp/akihabara48/
…各公式サイトとAKB劇場支配人戸賀崎氏によるオフィシャル・ブログ、通称「トガブロ」。各AKBメンバーのブログへもここから飛べます。