6月2日(日)15:00/18:00
6月29日(土)18:00
劇場:新村The STAGE
今回の韓国版スリルミーは栗山先生演出のもと、3チームに分かれての上演となりました。
1次チームは
チョン・サンユン(2009年・2011年版私役)&ソン・ウォングンの兄ペアと
チョン・ソンウ(2011年版私役)&イ・ジェギュンの弟ペアの二組で構成。
韓国まで見に行くことになった経緯を少し…
日本でのスリルミー観劇後、過去に韓国で上演されてきたスリルミーの動画を毎日のように見ていました。
その中で2011年版の전성우&김성일ペア演じる私と彼がビジュアル・歌声共にヒット。
過去にSAでエルンストとハンシェンを演じたという事もあってか距離感もよかったです。
전성우俳優の繊細な歌声や、喋ると低い声、些細な表情の変化がとても好みで、こんな素敵な俳優さんがいたのかと衝撃を受けました。
彼の過去の出演作の動画や人様の感想、インタビューを探しに探しているうちに(気持ち悪いですね(笑))
すっかりと気になる存在になってしまいました。
そんな時に2013쓰릴 미が発表され、성우俳優の出演が決定。
急遽お友達に付き合ってもらい、韓国まで見に行くことにしました。
성일俳優の彼ではありませんでしたが、재균俳優は彼を演じるにしてはとても若く、そして可愛い。
そんな彼がリチャードをどう演じるのか興味津々だった。
PVやインタビュー、稽古場写真等が次々と公開されていく中で私のテンションもMAXに。
・・・前置きが長くなりました。
韓国語はほぼわからないものの、台詞や歌は日本で上演したKペアの字幕を思い出しながら観劇しました。
劇場は小さかったです。
初演は見ていませんが、アトリエ・フォンテーヌ位のキャパかな。
ここの椅子が私の老化した腰にはしんどくて…90分腰との戦いでした(笑)
上手から私が登場して、ゆっくりとステージに上がりふり返ります。
ソンウ君はあまり腰を曲げたり声を変えたりしてない。どこかのインタビューで54歳はそんなに年老いてないから~と話していたような…。
審議会、日本版では「三度目の正直ですか…」だったと思うんですが、韓国版は7回目の申請で、「ラッキーセブン…」です。
01 why
一つ一つ思い出すように歌う姿が印象的。
「私は彼の跡を追っただけ」という歌詞を字幕で見た記憶がありますが
ソンウネイサンは本当にこんな感じ。
彼が深い森に入っていってしまったら、恐れながらもその足跡を追っていきそう。
ピアノの旋律が日本版とは違い、力強く素早い。弾いてる方が若いからかな?
ふたりのピアニストさんの公演を拝見しましたが、どちらも素敵でした。
スピード感が弟ペアの若さにしっくりくる。
時は戻り、鳥を観察する私のもとに彼が現れます。
「大人っぽくなったか?」と両手を広げる彼に「…老けたね。」と。このやり取りが可愛い(笑)
演出は日本版とほぼ同じです。動作がところどころ違うくらい。
一度A列で見れたんですが小道具が細かく見えました。
目の前にはリチャードの電話とタイプライター、煙草の入っているケースや、舞台の下に隠してある新聞。
俳優さんが目の前に来た時は本当に近くて、細かく表情の変化がわかる。
02Everybody Wants Richard
「僕以外に話が通じる相手がいるの?」といった歌詞。
必死になっている私を、彼が心底嘲笑っている感じがよかった。
その表情の先にあるのは優越感だと思う。
ジェギュンの彼も見た目は可愛らしいけど、自分勝手な幼いリチャードで考えるといい年齢かと。
韓国版は立場が対等で、SとMといった感じではない。
恋人というより、友人としての関係が濃い気がする。
彼が煙草を銜えて火を探しているのを見て、ポケットからマッチを取り出して差し出す私。
それを笑って受け取り煙草に火を着けた後、燃える火に魅入っていて、放火のこと考えてるんだろうなーという感じ。
20時に倉庫で放火の約束をした別れ際、ちゅっと軽くキスして、顔を離して再びキス。
彼が顔を離してもなお身を乗り出してキスしようとして制止されてました。
見た目は可愛らしいんですが、割と積極的。彼はそんな私で遊んでる気がする。
03Nothing Like A Fire
感想を巡っていると、「レイ」という呼び方が賛否両論のようですね…
何故台本を変えてまで呼び方を変えたのか・・・。愛称に関しては何となく意味を感じられるようになってきました。何故音をレイにしたのかはわかりませんが…。
彼は私の指をじっくりと見つめて、握る。私が空いた手を彼の手に重ねようとしますが、触れ合いそうなところで交わされてしまいます。
ジェギュン君の彼は私から触ることは許さないくせに自分からは触る触る。
「別のところに行こう」という私に「赤いのがピポピポきたら教えろ~」的なニュアンスで話すふたり。(言葉わかってません)なんだか、明るい感じがします。
火に夢中になりながら階段を降りていく彼をにこにこ笑いながら眺めていました。
後ろから腕を掴まれたときも、嬉しそうだった。
日本版だと個人的にここはお互いを慰めあっているように見えていたんですが
このふたりから感じた解釈は全く違いました。
ひとり取り残され、過去の彼を追うように振りかえる私。
04Written Contract
セリフが聞き取れないのが残念だった…芝居が細かかった。
バレる事を恐れて今後協力しないという私に契約書を提案し、タイプライターの前まで連れて行って契約書を作ってサインしろと迫る彼。
ここだったかな?親指で私の涙をそっと拭うんですが、その行動がずるい…。
惚れた弱みに付け込んで飴と鞭を無意識に使い分けてる感じがした…。
私はそんなに深く考えず、遊びの延長のような感覚で契約書を打っているように見えた。
血でサインする為に指を切られるところは本当に嫌そうでした。
確かに指を切り落としてきそうなほどナイフを眺めてた…(笑)
手を引いて知らん顔で逃げたのに結局手首を掴まれて、半強制的に指を切られてました。血を床に落とそうとして怒られていた。
06Thrill Me
上から落ちてくる鞄に近くの席の人がびくっとしてた(笑)
「鞄を貸せ」と言われて彼の方に投げるようにして渡すんですが、
そんな私を(反抗期…?)という感じでチラチラ見ながら、収穫を漁る彼。
ガラクタばかりの鞄の中からライターを発見して、ライターの火に夢中になる彼に触れようとしても拒否されてしまう私は、話を逸らして自分の要望ばかり話す彼に痺れを切らして見返りを求めます。
ジェギュン君のソンウ君を突き飛ばす力がすごすぎていつか怪我するんじゃないかとはらはらしました(笑)
必死に叫ぶ私をバカにしたように笑うくせに、結局自分も余裕がなさそうでイライラしていた。
彼が鞄を投げつけて、その投げつけられた鞄を投げ捨てる私。二人とも理性ギリギリな感じがよかったです。
私に胸倉を掴まれた後思い切り突飛ばしすぎてジェギュン君もこけそうになってた公演があるんですが、自分の引いた線を越えてこようとする私を恐れて必死に拒絶している感じが人間くさくてよかったです。結局どちらも不安定な人間。
契約に従わないなら破る!という私からの脅しに負けて承諾するものの「早く終わらせよう」と素っ気ない態度。彼側の最前だったので、ソンウ君が目の前で泣きそうになりながらネクタイ投げ捨てて、サスペンダーを外す姿にドキドキした。
歌の最後で彼を引き倒すところがどのペアもとても好きなんですが、特に柿松ペアの私が座ったまま彼の顔を覗き込むのがもう本当にすきなんです。54歳の私が記憶の中にいる彼の顔を見ているようで。
この時の柿澤彼の美しさがこの世のものだとは思えなくて、故人であることを事前に知らされているよう。
07The Plan
殺人を計画する彼に戸惑って、どうやって彼を止めるかと考えているうちにどんどんどろ沼にはまり込んでいく感じ。
でも弟を殺すという彼を必死に止めているのは、彼が苦しむ姿が目に見えているから。
母親が悲しむ、という私の一言で標的を弟から別の誰かに変える彼。
ジェギュン君が若いからか、母親の存在がリチャードにはとても重要に感じられる。
ジェギュン君の彼はあと一歩で止める事ができたようにも思う。
怯えながら子供に悪いと思いながらも、要求を受け入れる私。
歌が終わり、私を抱きしめる所で彼がつむじにキスするんですが、ああいうことするから離れきれないんだろうな…!
07 Way Too Far
彼を追って道に迷ってしまった私の複雑な感情がソンウ君の声からよく感じられて泣きそうになりました。
そんな後ろで彼が鞄チェックを始めますが、ロープが細すぎてあれじゃすぐ千切れるんじゃ…(笑)
そしてハンマーじゃなくてパイプなんですよね。
あと、塩酸を少ないといいながらちょっと地面に垂らしてみて、その効果に喜ぶ彼。塩酸のビンにちゅーしてたと思います。
誰かが言っていましたが、小さい子供を選ぶというゲームクリアの為の条件が一つ増えたことに喜んでいるようでした。
08 Roadster
あんだけ見て初めて気づいたんですが、
扉の向こうの照明って車のライトを表現していたんですね!
物影に隠れて不安げに私が見守っていました。
すごく人懐っこそうな彼。
子供が興味惹かれるように笑顔で話しかけて、子供の反応にオーバーリアクション気味でした。
これが彼の外に向ける顔なんだろうな。
手の位置からして子供は相当小さそうですが、段差をおりる時なんかはきちんと子供がおりるまで待ってあげたりしていて、演技が細かくてよかったです。
09 Superior
ライトが赤くなり、激しくなる旋律とともに駆け込んでくる二人。
興奮気味の彼と泣きそうになりながら血のついたタオルで手を拭う私。
彼が血まみれのロープを嫌がらせのように投げてきて、すごく驚いていた。
彼の言葉を必死に自分に言い聞かせながらも罪悪感と恐怖から逃れられずに苦みながらも
最終的には彼についていく事を決意。
彼が私の手を引いて立ち上がるところ、日本版だと私が立ち上がらなくて前に進めなくなる感じなんですが、韓国版は私から彼の手を引いてるように見えました。
で、立ち止まった彼の手をがっしりと握って立ち上がる。
10 Ransom Note
脅迫状を読む際に、ポケットに入れていたはずのメガネが無いことに気付く私。
全く焦らずに私の肩を抱いて、「これなら読めるだろう」と二人で読みます。
ここは彼の弱さが滲み出る部分ですよね。
「俺が誘拐されたらお父さんはどうするだろうか」という彼に
「お金を出すよ」と私が答えます。
松下くんのトークを聞いてからこのシーンが好きになりました。
ここは私の彼を救う為の駆け引きの場面でもあるんですよね。
11 My Glasses / Just Lay Low
死体が発見され、身元が判明し、私が落としたメガネが発見されるというニュースに焦って私が彼に電話を掛ける場面。足ダンあり。
騒ぐ私と共に彼が切羽詰っていく感じがよくわかりました。
電話を切る瞬間の私の表情が好きです。何かを考えていそうな。
54歳の私。
日本版で「その言い方は正しくない」と、一瞬声を荒げる場面がありますが、
ソンウ君のその場面もよかった。
12 I’m Trying to Think
警察に行く事になった私とアリバイを考える。
「一緒に居て」という私に、外に向ける顔”で「また公園で」という彼。
乱れた服を整えて、ジャケットのボタンを留めて警察に応対する。
公園で再び会うふたり。
先日とは打って変わってお前のせいだと怒りをあらわにする彼。
君の言うとおりにしたんだと、お互い大声で意見をぶつけ合います。
ここのジェギュン君も激しくて、怪我をしないか不安でした。
契約は終わりだ、と去っていく彼に警察署にいく、と私は言いますが
多分二度と会うことはないと言われてしまう私。
ソンウ君の目から涙がぽろぽろと零れていて、切なかった…。
13 Way Too Far (Reprise)
なぜこんなに遠くまで来てしまったのか、と歌います。
彼についてきたつもりが、置いていかれてしまった。
歌声が本当に悲しそうで、私も泣いてしまった。
14 Keep Your Deal With Me
彼は警察署に連れてこられる。先に部屋に居た私に対して裏切り者!と罵る。
新聞に記事を書いてもらう、とわめく彼に証拠は揃ってる、警察と取引した。と静かに告げる。
「裏切らないと誓ったのに!」「先に裏切ったのは君だ!」「俺は裏切るつもりはなかった!」のような感じで都合のいい事を言い出す彼。とうとう逃れられないとわかったのか、態度を豹変させて
一人で置いていかないで、と私に縋ります。そんな弱弱しい彼の姿を見て、私は辛そうに顔を逸らす。
後ろから抱きしめて、私にキスをするんですが、その抱きしめられている時の私の顔が苦しそうで…
キスを拒んで立ち上がる私を彼は不安げに見上げますが、私は結局彼を見捨てることができず、受け入れてしまう。
「何でもしてあげる」という私に、ジェギュン君の彼は心底安心したように深呼吸して、私に見えないようにキスした唇を指で拭うんですが、私は拭われてることもわかってる気がするな…。
「俺のように強くなるんだ」と、情けない姿から一変して偉そうに言う。
ここは日本で見た時もそうでしたが、彼が滑稽で少し笑ってしまいそうになる場面。
15 Afraid
彼は私が寝ている事を確認して、弱音を吐きますが、私は眠ったふりをしているだけでした。
こんな姿を君に見られたくない、といったような歌詞が確かあったと思うんですが、
ジェギュン君の彼は若いからか、私の前で必死に強がっていただけのように見えます。
恐ろしい、死にたくない!と絶叫する彼に、口を覆って苦しむ私の姿は、まるで悪夢を見ているようだった。
ここで私が笑っていた、との感想も見ましたが、私が観劇した時は笑っていないように思いました。
どっちだったんだろう。どっちもあったのかもしれません。
私が見た回は、自分がここまで彼を追い詰めたことを悔いているように感じた。
それとも、完璧じゃなかった彼を見てしまったことへの衝撃。
彼は涙を目にいっぱいためて、体を丸めていました。
16 Life Plus 99 Years
護送車で運ばれるところ。
向かい合って、弁護士の弁論が凄かったと話します。
二人は絞首刑にはならず、終身刑+99年の判決が下りました。
「知ってるか?俺がなりたかったのはああいう弁護士だ」「…知らなかった」
というやり取りが確か韓国版でもあるんですが、ここで二人の間にあった溝を感じることができます。
一生を共にするのだ、という私をバカにする彼に対して、私は優れていたのは自分だ、と言い放ちます。
メガネを落としたのはわざとで、彼の行動も計算のうちだったことを打ち明ける私に
彼はわなわなと震えながら涙を零します。
この時、ジェギュン君とソンウ君の姿勢が逆転するんですよ。
最初は私が背筋を伸ばしていて、彼が前かがみです。
私が打ち明けていくうちにゆっくりゆっくりと姿勢が入れ替わり、最終的には私が前かがみで、彼の背筋が伸びます。日本版では「僕→俺」「お前→君」のような言葉の変化で立場の入れ替わりを示していたように思いますが、韓国版ではこれが立場の入れ替わりを示しているようです。追い詰めて行く不気味さもあってどきどきした。
ここは歌詞が変わっていたそうで、99年という明確な数字が歌詞に入ったようです。
これも感想を読んでいると、割と賛否両論の様子でした。
17 Thrill Me Finale
私の仮釈放が決定し、審議員に「あなたは自由だ。」と言われ、不思議そうに「自由…自由…」と繰り返す。
私の手に照明があたり、今まで絡み合っていた指が一つ一つ外れていき、拘束から解放されます。
この場面が一番好きかもしれません。
当時の所持品を返され、中には時計、煙草、彼の写真が。
「レイ」
彼の声に振り返ると、そこにはあの頃の彼の姿が。
「僕は君の共犯者…絶対裏切らない。スリルミー…スリルミー」
このスリルミーの間隔が長くて、その時の私の悲しそうな表情と震える唇に思わず泣いてしまいました。
結局ソンウ君の私は、解放されていない気がします。
カーテンコールは同じです。
割とあっさりと、二回で終ります。
本当に韓国まで見に行ってよかったです。
ソンウ君とジェギュン君のペアは私の中でとても大切な存在になりました。
