YOSHIKIさんと明菜 | 中森明菜三昧/はとこばのブログ

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月1ペースの不定期放送になってしまい見逃してしまうこともありますが、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』という密着ドキュメンタリー番組が割と好きで観ています。

 

昨年だと、「自分は演技が下手だと思う」と役の背景からセリフ一つ一つまで突き詰めて行く小栗 旬さん、「俺はこれしか出来ないから」と滝に飛び込んで行く出川哲朗さん、日本ボクシング史上最高傑作と言われながら現状に甘んじずさらに高みを目指す井上尚弥さんなど興味深い回が続き、最後に放送されたのが、同い年、薔薇、声が小さくて「中森明菜かよ!」と突っ込まれるw、など明菜と共通項があるYOSHIKIさんの回。

 

私は X→X JAPAN 世代ではあるけれどあまり興味が無かったのでYOSHIKIさんについて詳しくは知らないのですが、もうすぐと言いながらいつになってもアルバムが出ない、大幅に開演時間が遅れるなど、ファンはどう思うんだろうというような話が聞こえて来ても、かなりの高額料金設定のライブやディナーショーチケットが完売、コラボクレジットカードで期限内に1000万円分のポイントを貯めると本人と会えるという無理ゲーも達成してしまう人がいる、そのファンを惹きつける魅力って何なんだろうと探りながら番組を観ました。

 

インタビューに率直に答えていくYOSHIKIさんを見ていて思ったんですよ……明菜と重なるところがあるなと。

 

 

プライベートジェットに取材陣を呼び初対面を果たすYOSHIKIさん。

「視聴者はどんな人なのかなと見てくださると思うんですけど」という問い掛けには笑いながら「ミステリアスですよ、かなり」と答え、「厳しい面も持っていると思いますけど」と続けた。

その言葉通り、集中したい時には容赦なく取材陣を追い出し、本番ギリギリまで常にピアノの練習。

音出しで何度もやり直しを求められるサウンドエンジニアの方は「耳がよくて普通の人じゃ聞こえないレベルで色んなものが聞こえていて、同じですよと言っても数値化すると彼の言う通り音がズレている」と言う。

 

一方で、天然と言われるちょっと抜けたところ、海外で路上ゲリラライブを行い拍手に涙する姿、千葉の台風被害ボランティアに密かに参加したり、館山で夕方5時のチャイムに自作曲が流れて来て感動したことをHYDEさんに嬉しそうに話すYOSHIKIさんが映し出される。

 

 

画面には ''愛するほどに、離れていく'' の文字。

 

話は幼少期に遡る。

喘息で入退院を繰り返した彼の唯一の楽しみは4歳で始めたピアノ。

だが彼に音楽の楽しさを教えてくれた父親は彼が10歳の時に自ら命を絶った。

その後ロックに魅了された彼はバンドを結成し、メンバーや名前を変えながら行きついた「X」で成功を収める。

しかし X JAPAN は1997年に解散、翌年には唯一心を委ねられる相手だったというHIDEさんが亡くなった。

 

X JAPAN の解散については、自分の理想、価値観をメンバーに押し付けてしまった、HIDEさんがいなくなった喪失感、心の傷は永遠に癒えないと思うとYOSHIKIさんは言った。

喜ばせたいという気持ちを音楽を続けるモチベーションにしてきた母親も昨年旅立った。


「僕の曲には必ず悲しみが入っている。それは自分の中から消えないものだと思ってるんで」

 

インタビュアーの「独りぼっちなんじゃないかと感じる瞬間があったんですけど」の言葉には、見透かされたというように、

 

「鋭い… だって孤独じゃなかったらSNSで''悲しいよ''なんて書かないでしょ。きっと孤独なんだろうね。いつかは孤独じゃなくなる時が来るのかな…」

 

恒例の''プロフェッショナルとは?''の問いには、こう答えた。

 

「僕じゃない人間がプロフェッショナルだと思います。僕は甘いと思う、色んなところが。でも僕は永遠のアマチュアでいい。音楽を愛していて努力してるし音楽にこの身を捧げるつもり。」

 

 

番組では、最近また確執が伝えられるToshIさんについては触れることも映像も無し。

X JAPAN のファンがそれぞれどう思うか私は窺い知ることは出来ないし、自分を俯瞰で見るプロデューサーでもあるので本当の自分がわからないというYOSHIKIさんに、この番組自体も上手くプロデュースされているのかもしれない。

 

でも、夜中でもジムに行き、痛めた身体に針治療を施すYOSHIKIさんになぜそこまでするのかと訊いた時に答えた「ステージに立つことしか自分の生き方のチョイスはないから」という言葉は真実だと思えたんですよね。

 

 

昔から聞く''YOSHIKIに明菜の曲を作ってほしい''という声。

数年前聖子さんに提供しトップテン入りした「薔薇のように咲いて 桜のように散って」は聖子さんの違う面を引き出した良曲でしたが、YOSHIKIさんが明菜にはどんな曲を書くのか、似たタイプの明菜とは共鳴し合うのか反発し合うのか、ちょっと興味はありますね。