≪お金を落とさない人はファンじゃない?≫
こんなテーマで討論が行われているのを見ました。
「ファンなら金を落として今後の活動資金に繋げるべき」
「応援の仕方なんて人それぞれでいい」
2つの意見に分かれて激論は続いていました。
私は、基本的には後者の考えに同意です。
人にはそれぞれの生活があって、働いて稼いだお金を全部 ''推し''に使える人もいれば、様々な事情で使いたくても使えない人もいます。
以前、「CDすら全部揃えられていないので他のファンに引け目を感じる」という明菜ファンのツイートを見たことがあります。
たしかに、明菜ファンの中には、とあるアイドル達のような ''枚数を多く買うほど本人に近付ける''という特典があるわけでもないのに複数枚CDを購入して売り上げに貢献したり、グッズを全部揃えているような強者がたくさんいて、私も怯むこともありました。
でも、それはその人なりの応援の仕方であり、みんな自分のペースで「好き」を満喫すればいいと思います。
SNSや動画サイトに投稿することだって一つの応援法ですから。
ただ、特に音楽関係の場合、ファンがお金を落とさないと活動に影響が出るのも事実です。
''落ちめ''という言葉は好きじゃないけれど、ネットでこれを見るたびに心が痛むのは、苦い思い出があるから。
前々回の記事で好きなバンドのことを書いたけれど、彼らが解散してヴォーカルソロと2つのバンド、3つの形に分かれた時、私は子供ながらにそれぞれを応援していくことを心に誓った。
ところが、自由に動ける年齢になると一緒に活動出来る子がいたそのうちの1つのバンドに嵌って行き、だんだんと他の2つ、一番ファンだったヴォーカルの彼の活動すら追わなくなってしまった。
しばらくして、彼があるジャンルで活躍していることが聞こえてきた時には、良かったーなんて単純に喜んでいた。
そして、バンドが再結成を果たした時にヴォーカルの彼の口から語られたのは、最初はたくさんのファンが付いてきてくれたがその数が徐々に減り、遂には日雇いの道路工事の現場で働くことになった話だった。
「出世して現場のチームリーダーになってんねん。」
笑いを交えながら明るく話す彼を見て、気持ちが沈んだ。
高校入学後、スカウトされてすぐに上京し、あっという間に売れて、歌うこと以外の仕事などしたことがない彼にはどれほど辛い状況だったか。
そこからチャンスを掴んで這い上がった彼を尊敬する一方で、それでどうにかなったわけでなくても、気にはしながら、CD一枚、それすら買わなくなった自分が情けなかった。
それからは、新作が出れば買い、大きなライブには参戦している。
今度は後悔しないように。
明菜ほどのビッグネームになると、パチンコ台一つでも多額の契約金が動きます。
それでも、4年近くライブも新作リリースもほぼ無しというのは今後の活動資金という意味では不安もあります。
私は、80年代はライブに行く余裕が無かったし、90年代以降はライブには行けても、DSに行ったりグッズを色々買ったりなんて出来ませんでした。
その分、少し余裕が出来た今は協力出来ることはしたいと思っています。
もちろん、自分に可能な範囲で。
SNSやブログをやっている人の中にも表面上は明るく振舞っていても悩みを抱えている人は多くいます。
''推し''は、心の拠り所であるはず。
''推し''のことで悩むなんて本末転倒なことにならないように、自分のやり方で''推し''のいる人生を楽しめたらいいですね。