四部作の中では、今回が一番難問でした。
村上春樹さんの短編「かえるくん、東京を救う」の続編になっており、ある意味オリジナルな脚本だそうです。

片桐(佐藤浩市)さんは忘れるということの象徴として描かれたのでしょうか?
地震のような大災害が起きても、地下鉄サリン事件のようなテロ事件が起きても、人々は時間の経過とともに忘れてしまう。
記憶が薄れていくと共に備えもおろそかになっていく。平和な時に慣れていってしまう。また人間は戦争はダメだとわかっていてもまた戦争する。戦争については、感情が先にいって学習機能が働かないことが多い。
それらのつらい記憶は忘れてはいけないし、その教訓は引き継いでいかなければいけない。しかし一方で忘れてしまいたいこともあるし、忘れないと前に進めないこともある。人はそのバランスをとりながら生きていく。


我々人間にできることは備えることと助け合うことなんだというのが最後のメッセージかなと思いました。
それは片桐(佐藤浩市)さんの相も変わらないゴミ拾いの姿からです。あの新宿の街においてゴミ拾いすることは、あまり意味のないことかも知れませんが、だれかがやらないといけないことであり、みんなでやると不思議ときれいになるものなんです。

最近私もシルバーに登録し、街のゴミ拾いのボランテアに参加しています。