渥美清の「泣いてたまるか」第5~8話 | あきら・ド・クリエ の ブログ

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奥歯の毒入りカプセルを、いつ噛むの?今でしょ!

第5話 「二人になりたいッ」 (1966/06/05放送)
 個人的評価(1~5):5
 脚本:橋田寿賀子 監督:下村堯二
 渥美清:新婚の会社員、団地へ越して二人の生活をスタートが...
 広瀬みさ、柳永二郎、左ト全、高原駿雄、初井言榮、原泉
 いいね、こういうの。いかにも昭和のドタバタドラマだな。
 決して面白くもないが、随所に見所が盛りだくさんで楽しめる。
 本当のタイトルは「ミートパイが食べたいッ」ってくらいだな。
 さすが橋田寿賀子だ、視聴者をイラッとさせる味付けがうまいな。
 オープニングは公団の抽選会の様子らしき映像で始まる。
 舞台となる場所は、神代(じんだい)団地だ。神代診療所も出てくる。
 冒頭で引越トラックに乗って渡る橋は、野川にかかる「小金橋」だ。
 
 神代団地(公団住宅)
 昭和40年7月の入居開始なので、撮影時はまだできたばかりだった。
 調布市と狛江市に跨る超巨大団地群。敷地内を野川が横断する。
 最寄駅は、京王線つつじヶ丘駅。遠い棟からでも1.2kmってところか。
 58号棟は診療所で、隣に幼稚園がある。オタマジャクシを採っていた
 場所は、20号棟のすぐ南側の野原で、現在は図書館と小学校がある。
 主人公たちの住居は、14~16号棟の辺りかと思われる。
 今でも賃貸募集中、50平方mで賃料\10万円くらい。けっこう高いな。
 この時代から建ってる団地は、改装されてもあまり住みたくないな。
 
 UR賃貸(公団住宅)
  UR(都市再生機構)が運営、昔の日本住宅公団(1955年設立)のこと
  礼金、仲介手数料、更新料、保証人 が全て不要
  敷金は必要、ほとんど先着順、一定以上の収入
  新築の場合は、抽選になることも多い
 公営住宅
  各地域が運営、保証人は必要、低所得者向けなので一定以下の収入
  人気が高いのでほとんど抽選で決める
 公社住宅
  公社の運営、保証人は必要、ほとんど先着順、一定以上の収入
 
 入所した後に現れる御用聞きは、ピンポンパンの(坂本)新平ちゃんだ。
 酒井ゆきえ、金森勢、カータン、しんぺいちゃんの時代が最強と思う。
 カータンの声と中身は大竹宏、マジンガーのボスとブービーの声の人。
 社長が旅行のために社員へ孫を当日に預けるというのは昭和なのか。
 いや違うだろう。いつもと違う環境で子供がはしゃいで大怪我したら
 大変なことになるとは思わないのか。双方にリスクがデカくないか。
 女中の一人くらいいるだろうし、もしくは親類の家じゃないだろうか。
 すき焼きの牛肉が固いって老人か!おもちゃの量が、超半端ねえ。
 ミートパイをネダるとは、既にこの時代に日本の子供が "欧米か!"。
 お腹がすけば何でも美味しいとか言うが、ご飯と目玉焼きと小魚なんて、
 今の俺が食べたいよ。子供の頃が本当に懐かしいですな。
 神経衰弱で子供がズルするが、そういう新しいゲームなんでないかな。
 最初は5枚までめくっていいとか、宣言してからめくって的中したら、
 相手のカードを1組もらえるとか、4枚そろえたら3組と数えるとか、
 ルール変更案はいくらでも考えついたものだ。
 オタマジャクシなんて採りに行きたいかね。とはいえ、自分が子供の頃、
 隣の家の木から毒蛾の幼虫が落ちてきたのを友達と大量に素手で集めて、
 病院送りになり、友達は入院したっけな。子供のやることはわからん。
 麻疹(はしか)というのも懐かしい。っていうか今でも普通にあるわな。
 小四の時に麻疹になって、トイレに行くのが辛くて、ぶっ倒れるように
 布団に這って戻ったな。クノールのスープが食べたいと母親に言って、
 食べた途端じん麻疹が出てジジイの医者が往診に来た。枕元にラジオを
 置いて聞いてたが、沢田研二の「勝手にしやがれ」が大ヒットしてた時代。
 オタマを、お玉ですくうって、ダジャレはいいが、実際にやるかよ。
 でかくなって足の生えてきたオタマジャクシとか、気持ち悪りいな。
 こんだけ色々ブッこまれたら、ラストシーンを見ても涙も出ねえよ。

第6話 「浪花節だよ人生は」 (1966/06/19放送)
 個人的評価(1~5):4
 脚本:山根優一郎 監督:高橋繁男
 渥美清:出稼ぎ労働者で離婚歴あり、5歳くらいの女の子が1人。
 柳川慶子、春川ますみ、早川保、松村達雄、小松方正
 冒頭の浪曲師は「玉川勝太郎」(三代目)で、浪曲で人物紹介するので有名。
 最初の駅は、看板の文字に国鉄長野原駅という文字が明確に見えるが、
 この駅は「長野原」ではないだろう。電車が発車してすぐトンネルがある
 シーンと周囲の地形からして、隣の「川原湯」駅であろうと推測される。
 電車は詳しくないのでわからないが、木造の車両のように見える。
 国鉄長野原線「長野原」駅は、現在のJR吾妻線「長野原草津口」駅であり、
 同様に「川原湯」駅は、現在の「川原湯温泉」駅である。予算問題で工事が
 ゴタゴタした「八ッ場ダム」の建設で水没するため、両駅は移設される。
 当時は、長野原駅から群馬鉄山への太子(おおし)線が運行されており、
 292号線を北に上がって行った先に「太子」駅があった。(1971年廃止)
 渥美が走ってる経路がスゴいな。吊り橋はおそらく川原湯駅から北に
 ある吾妻川にかかっている橋を一目散に走って、そのまま道なりに進み
 山の方から下ってきて線路を渡って駅のホームの東端へ到着している。
 渥美らが働いている団地らしき建設現場なんだが、建物の映像から推測
 した限りでは、「西原団地」(東京都住宅公社)ではないのかな。
 最後のシーンで、背景の建物の外観といい、周囲に建物がまだ少なく、
 車が南に向かって行った点といい、一致するらしき点がいくつかある。
 西武新宿線の田無駅の北の方にあり、さらに北には「ひばりヶ丘団地」。
 しかし、昭和38年の建設という情報なので、時代が少し合わない。
 団地の本体は元々完成していて、追加の工事をしているかもしれない。
 妻に愛想を尽かされるダメ亭主だが、周囲の人からは慕われている。
 これは、なかなかイイ話ですが、いろいろなものが汚ならしいな。
 早川保が勉強しているノートの紙を梅津栄が破いてくしゃくしゃにして
 ケツを拭くのに使おうとして、しかも梅津がオネエの口調なんだな。
 元女房の新しいダンナが小松方正てのも、なんかイヤだよねえ~。
※心霊写真ではありません。パネルの下部が欠落か除去した。
 
 今回の名(珍)セリフ:
 早川:「おい、何するんだよう」
 梅津:「お手洗いヨ。あんた、もうこれ読んだんでしょ、ケチねえ」

第7話 「あすは死ぬぞと」 (1966/07/03放送)
 個人的評価(1~5):3
 脚本:関沢新一 監督:渡邊祐介
 渥美清:小さい運送会社の専務で社長の娘の婿養子。子供1人(男)あり。
 弘田三枝子、北あけみ、花沢徳衛、西村晃、バーブ佐竹
 円谷プロやSF映画を手がけた関沢新一の脚本なので、ウルトラQの様な
 演出もあり、喜劇チックな感じもある。特に面白いというほどではない
 ものの、ついつい最後まで見てしまう展開ではある。
 「拝み屋」という言葉が登場。辺見マリが洗脳されて5億円取られた~。
 西村晃のセリフが、24時間でパーとかチャオとか、フザけてて楽しい。
 大衆食堂のメニューで、月見、山かけ 60円、オムレツ 70円が気になる。
 渥美が食ってた大盛りの丼がヌメッとして、白黒なのでよくわからんが、
 五目あんかけ丼かね?メニューになさそうだけど。美味そう?なのか。
 バーブ佐竹が渥美から「寅さん」と呼ばれて、今見てる人は「?」だろう。
 バーブ佐竹が、(女房を)叩くほど良くなる「法華の太鼓」と言っていたが、
 そういう例えは違うだろう。ガキどもの「言っちゃ悪いけど腹減った」と
 いうセリフは痛快ですな。丸々としてた頃の弘田三枝子が見れます。
 「昼夜運輸」の隣にあった「岩本酒店」は現存するらしく、千歳烏山付近の、
 旧甲州街道沿い、南烏山6丁目9、「烏山総合支所」交差点のすぐ横だ。
 渥美が花輪を積んだトラックに乗る際に、後ろに見える「葉隠不動産」の
 住所に世田谷っぽい文字が見える。終盤で渥美が近所の公園に行った際、
 後ろの看板に祖師谷や砧の文字もはっきり見える。
 大泉滉、潮健児、石橋蓮司らがフザけたチョイ役で出演してます。

第8話 「ああ 誕生」 (1966/07/17放送)
 個人的評価(1~5):2
 脚本:早坂暁 監督:真船禎
 渥美清:自動車解体工場の工員。妻が妊娠している。
 春川ますみ、殿山泰司、笠置シヅ子、渡辺文雄、松島トモ子
 「嗚呼、誕生」と書かれている方は、表記間違いをコピペしてますね。
 当初に夫婦が住んでいた場所は、工場地帯で大きな川の近くであり、
 堤防とその脇の道路、夫婦でポンコツ車に乗って出て行くシーンから、
 荒川の下流辺りで、車で出て行く際に奥に見えるのは葛西橋であろう。
 渥美の仕事先の場面では、日本カーベキューの名称がはっきり見える。
 船橋スクラップ工場とも呼ばれ、日の出町にあったらしい。
 車体を高温で焼却して可燃物を除去し、素材の鉄だけ残す方法であり、
 当時は斬新だったが、シュレッダーに替わられて廃れてしまった。
 次の映画の劇中でも登場する。「東京流れ者」(1966年)主演:渡哲也、
 「拳銃は俺のパスポート」(1967年)主演:宍戸錠、
 「コント55号 世紀の大弱点」(1968年)主演:萩本欽一、坂上二郎
 春川ますみは、体格のいい明るい女房役には本当にもってこいだな。
 後のトラック野郎シリーズで、レギュラー配役としては、愛川欽也が
 唯一、彼女を女房役に指名したんだとか。
 渥美と春川が想像する、娘が成長した時の姿が松島トモ子だ。
 左卜全、武智豊子らがフザけたチョイ役で出演する。
 このシリーズは、オタマジャクシ、カメ、カエルとかなんだか多いな。
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