ノンストップ!「バードマン あるいは(無知が生み出す予期せぬ奇跡)」 | 心日和だより【気ままに映画レビュー】

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「バードマン あるいは(無知が生み出す予期せぬ奇跡)」

79点 / 100
原題  Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 2014年 アメリカ(日本公開は2015年)

バードマンと言えばみつおくんをパーマンに任命したバード星から来た男、というのは日本の子どもたちに記憶された男の名前であるが、本作では似ても似つかぬバードマンが出てくる。日本のバードマンはそれが仕事なので支障はないのだが、本作はかつて自分が演じた「バードマン」に取りつかれてしまったある俳優の物語だ。

ヒーロー作品「バードマン」で一世を風靡したリーガン・トムソン(マイケル・キートン)はかつてのヒーローとしての自らのイメージを脱却し、名誉と栄光を取り戻すべく、無謀にもブロードウェイで芸術性の高い舞台に挑む。弁護士でもある友人ジェイク( ザック・ガリフィアナキス)と薬物依存と向き合っている娘サム(エマ・ストーン)を付き人に、さらに、舞台女優のレスリー(ナオミ・ワッツ)とその恋人で有名俳優のマイク(エドワード・ノートン)らを従え来るべきプレビュー公演へと奔走する。

しかし、マイクの身勝手な行動などでプレビューは散々な結果に終わり、焦りを隠せないリーガン。だが、「自分の名誉」しか見ていない父に、娘サムの感情は爆発。あげく批評家にも酷評を書かれ、すべてをかけた舞台の本公演を前にしてリーガンは絶望する。そんな中、本番の幕が上がる…。



まず特筆すべきは撮影スタイルである。冒頭からラストシーンまで一貫して「長回し」のような撮り方で、カメラは常に登場人物を追いかけ続けている。これは最後まで一貫しておりまさに文字通り「休む暇」などなく駆け抜ける。次々に移るシーンは舞台を見ているような感覚さえ覚えてしまう。

バードマンという名の過去の自分に取りつかれているリーガンには頻繁に幻覚、幻聴が聞こえ、時折リーガンを夢の世界へといざなってしまう。そこで使われるVFXはしっかりとしたもので「これはこれで見てみたい」と思えるような仕上がりだ。観客はその「夢の世界」と「現実」の境目がだんだんと分からなくなりそのことがラストシーンにも効いている。その為、おなじみの「ラストはどうなの?」という議論は不毛な言い争いである。

ヘタな脚本ならば「大切なものを取り返すパパ」のお涙ものになるが、前述したカメラが「いいセリフ」の後の表情を追いかけておりそこがこの作品をウィットな方向へ向けている。
加えて娘役のエマ・ストーンの演技が光り本作の評価に一役買っている。

難解なタイトルがついているが、本筋はさほど難しくなく肩の力を抜いて見られる。
あるいは、のあとを(  )にしてるのはなかなか考えられた邦題だ。

各10点満点
ストーリー 8
音楽 7
ロケ・背景 7
キャスト 8
監督 9

5点x10
エンタメ指数 ★★★★★★★★☆☆ (8)

合計 79点 /100

ブルーレイ
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サントラ。、、、ってドラム以外に音楽なんてあったけ?

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監督の代表作バベル。すみません、私まだ未見です。

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娘役エマ・ストーンの出世作。らしいです。かわいい、この子。
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