英語で「恋は盲目」は、blind(盲目)という意味の言葉を使って“love is blind”と表現される。

 

この言葉、シェイクスピアの『ヴェニスの商人』に出てくるセリフで、ヴェニスで金融業を営むシャイロックは、ユダヤ教徒。しかし、その娘のジェシカは、キリスト教徒のロレンゾと恋仲になり、駆け落ちを決意します。そのときに姿をごまかすため少年の服装を着たジェシカが、そんな自分の姿を恥ずかしがりながらつぶやいたセリフ。

 

“But love is blind, and lovers cannot see the pretty follies that themselves commit.”

しかし、恋は盲目であり、恋人たちは自分たちが犯す愚行に気づかない。
 
シェイクスピア作品『ヴェニスの商人』第2幕第6場より

 

好きすぎて相手のことしか見えなくなり、思いもよらぬ行動に出てしまい、恥をかいたことのある人もいるはずです。恋はそれほどに冷静さを奪い、人を盲目状態にしてしまうのです。

 

  恋に落ちると、脳が興奮状態に陥る

 

『ロミオ&ジュリエット』の悲恋など、恋にまつわるストーリーはどれも激しくて熱狂的です。恋は盲目、恋煩い、恋に狂ってる、などの表現にもあるように、恋って楽しいだけではなくて、時に見境なくなって自分をコントロールできなくなるものです。

 

 

それで、恋をしている時の特別な感じとは、カラダの中のどこからきているのでしょう?

 

恋をしたとき、私たちの脳内で「フェニルエチルアミン(PEA)」といわれる神経伝達物質が分泌される。PEAは、麻薬物質の一種です。現在、脳内麻薬は20種類以上も発見されていますが、その中でも特にすごいのが『脳内革命』で有名になったβ-エンドルフィンで、モルヒネの鎮痛効果の6.5倍あるといわれています。

 

 

  PEAは、瞑想やヨガでも出る

 

恋をしたときと共通の物質も出るし、また違う物質も出ています。本来、スピリチュアル系の瞑想は脳内麻薬を出すのが目的なんです。仏教系にしろ様々な瞑想の方法論を説いていますが、どちらにしても、心とカラダをリラックスさせ、雑念をはらって瞑想状態に入る為のテクニックです。そして、瞑想をしてリラックスしている状態の脳がアルファ波を発して脳内麻薬が分泌され、とても強い幸福感・満足感で満たされている状態になってきます。それがヒートアップすると神秘体験をするのです。イエス様やババジに会って、会話を交わすこともあります。

 

もっと、行き過ぎると統合失調症にもなりかねないので瞑想をする人は注意が必要です。この統合失調症の原因はまだはっきりとわかっていませんが、脳の神経細胞間の情報伝達を担う神経伝達物質のバランスがくずれることが関係しているのではないかといわれています。