昔話に登場する狐といえば、人を化かして騙すいたずら好きとして描かれています。かつて「狐に化かされた!」というような事は不思議でもなんでもなく、普通の出来事として語られていました。
この人を化かすというイメージは、中国から伝わった話しからきているようです。これは、中国の「狐(こ)」に由来し、狐は50年生きると女に変身でき、100年で美女や巫女、さらに千年で天狐(てんこ)となり9本の尾と金色の毛並みを持つとされていた。天狐は、霊力を身に付けています。人に化ける霊力を持つことから、人を化かす生き物と考えられました。
「狐憑き」は、精神病?
それで、「狐憑き」は、日本各地に言い伝えられている現象です。狐の霊に取り憑かれると、精神を乱した状態になるといわれています。目つきが狐になり、人の咳ではない狐が鳴いているような咳をします。また、意味不明な言葉を発したり、怒鳴ったりと今までとは明らかに違った行動をとるようになります。
またお稲荷様を粗末に扱うと、憑かれるなどともいわれています。他にも狐が守護霊として家系に伝わっている場合も狐憑きというそうです。「狐持ち」などとも呼ばれています。狐の憑いている家は、裕福な家が多くて狐が崇拝されて信仰の対象であったことから発生して言い伝えられたといわれています。
しかし、今では狐憑きの話はほとんど聞かなくなりました。日本の狐憑きについて、ベルツがヨーロッパで「日本人の狐憑きは精神病だ」と報告しているが、同じような病気が世界中のどこにでもあった。ヨーロッパ各地では「悪魔が憑く」と言っていた。現代でも悪魔にとりつかれたと信じる人たちが、悪魔祓いを受けている。いまだに「祓魔師(エクソシスト)」も実在するそうです。近年、脳科学の分野、臨床心理学の発展により、霊障は、その人自身の過去のトラウマや、強い思い込みが引き起こされる幻覚や幻聴とされています。
精神科に行けば霊障のは多くは、解離性障害(ヒステリー)と診断されるでしょうね。解離性障害(ヒステリー)とは、心的外傷への自己防衛として、自己同一性を失う神経症の一種です。自分が誰か理解不能(解離性健忘)になったり、多重人格になったりする病気です。こういった憑依現象には、多くの場合、その憑依の起きた当時の暮らしや文化、信仰、考え方に影響があります。なので、狐憑きは日本文化特有のものです。
いっぽう、霊障が原因となって起こる場合もありますが、その場合霊に関する分野を扱っている専門家に除霊してもらい原因が解消したら、まるで憑き物が落ちたように急激に回復します。また実際に精神的な病があっても「自分は憑依されている」と信じていたら、お祓いしてもらう方が効き目が出る可能性もあります。
そこで、日本の仏教は、昔から先祖供養や個人の葬儀を専門としていました。全国各地に、水子供養や人形供養を専門としている寺院が存在します。どちらかといえば、霊界に関わる問題は、神社よりお寺さんの方がふさわしいのかもしれません。その他に、個人の霊能者も霊に関するカウンセリングを行います。

