よろづの事、人によりてことごとなり。誇りかにきら/\しく、心地よげに見ゆる人あり。よろづつれづれなる人の、まぎるゝことなきまゝに、古き反古ひき捜し、行ひがちに、口ひびらかし、數珠の音高きなど、いと心つきなく見ゆるわざなりと、思ひ給ふべく、心に任せつべき事をさへ、わが仕ふ人の目の憚り、人につゝむ。まして人の中にまじりては、いはまほしきことも侍れど、いでやとおもほえ、心うまじき人には、いひてやく無かるべし。物もどきうちし、我れはと思へる人の前にては、うるさければ、ものいふ事ももの憂く侍る。殊にいとしも、物のかたがたえたる人は難し。ただ我が心の立てつる筋をとらへて、人をばなきになすめり。それ心よりほかの我が面影を恥づと見れど、えさらずさし向ひ、まじりゐたる事だにあり。しかじかさへもどかれじと、恥かしきにはあらねど、むづかしと思ひて、ぼけられたる人に、いとどなりはてて侍れば、かうは推し量らざりき。
(http://jti.lib.virginia.edu/japanese/murasaki/nikki/MurMura.html)
紫式部の日記で、自分自身を省みた思いを書き記した部分です。紫式部の日記を読むと、自分自身の心をみつめる魅力ある女性ですが、その心をみつめる姿がわかります。口先だけで、主義主張を押し通す人たちを敬遠し、言葉にするまえに深く考える紫式部がいます。
偉そうなことを言っている人でも所詮は自分の得意とする分野で他人と比較しているにすぎず、あらゆる分野に精通している人はなかなかいない。(訳文)
宇治市、京都、日本の源氏物語の紫式部の石像
たいてい人は、我が心の立てつる筋だけを重視して生きています。
例えば、世の中は金だと思っている人も少なからずいるのではないでしょうか。やはりこの世はお金の有無によって、生活の質が左右されるというのはシビアな現実です。
「富める人がその富を自慢していたとしても、彼がその富をどのように使うかということがわかるまで、彼を誉めてはならない」(ソクラテス)
その富をどう使うかが大切で、何かにつけ自分をほめたたえ、自分の生活だけを考えるだけでは、何の役にも立たない。それは人は皆、社会的な存在であるからです。
見逃した番組や人気作品が見放題 まずは1ヶ月無料体験 初回登録なら月額960円が無料!いつでも解約OK
