東京国立博物館の本館常設展の特集コーナー
没後100年・黒田清輝と近代絵画の冒険者たち
▪️特集の案内
東京国立博物館での、特集のコーナー
明治の近代化の中で、西洋絵画の技法を身につけた当時の洋画家たちは
美術という、新しい概念も、社会に示す必要があったということでしょうか
そんな作家の一人として、フランス留学によって、本格的な西洋絵画の技法と身につけた、黒田清輝を中心に取り上げるのは、とってもピッタリくる感じがしますね
会期は10月20日(日)まで
そんな中で気に入ったいくつかの作品を紹介したいと思います
●重要文化財 黒田清輝 《智・感・情》1899年
▼《智》
▼《感》
▼《情》
3体の裸体画がセットになっている作品です
キリスト教美術の3幅対、または仏教美術の3尊像の形式が思い起こされます
特に右側の《智》の左手の印を結んでいるところ
《感》の両手の形など、仏教の仏像の手の印の形が思い起こされてしまうのですが
どうでしょうね
東京国立博物館の黒田記念館で、日時をかぎって公開されている作品
今回は東博の本館で披露されています
実はとても好きな作品なんですよ
パリでの万国博覧会にも出品して賞を受賞している作品
詳細等はまたいつか紹介をするとして
●吉田博《精華》1909年
▼部分
「それ美術は國の精華なり」
雑誌『国華』の名前の元になった岡倉天心の言葉
キャプションによると、この言葉が思い起こされる作品のタイトルだそうです
検閲の厳しかった当時ですが
威厳のある、正統的な裸体画を世に送り出したいという心から作られた作品
●岡田三郎助《群神(模本)》1901年
ルーブル美術館で、フラ・アンジェリコ《聖母戴冠》を模写したもの
作品の裏に書いてある事柄から、1901年3月に模写されたことがわかるそうです
●和田英作《二女図(模本)》1901年
この作品も、先ほどの岡田三郎助と同じ1901年の3月に、ルーブル美術館で模写されたもの
原本はボッティチェリの《ヴィーナスと三美神より贈り物を受ける若い女性》
どの作品も作家も、精神的に悪戦苦闘、暗中模索の連続って気がしますが
悩み抜いた作品にはそれなりの良さがあるもの
そんな気がしません?
▪️ラグーサ玉の《エロスとサイケ》の記事
この記事の作品もこの特集で展示されているものです
よかったら読んでみてください