今日の1枚のアート(←勝手に名付けた)
東京国立西洋美術館の常設展によく展示してある作品です
可愛い男の子の作品です
●ニコラ・ド・ラルジリエール《幼い貴族の肖像》1714年頃 部分
大きなつぶらな瞳、ばら色に輝く顔の肌、優雅な服装と姿勢
このラルジリエールが肖像画家として大きな人気があったことがわかりますね
◾️ニコラ・ド・ラルジリエール(1656ー1746)
フランスのルイ14世からルイ15世の時代、人気のあった肖像画家、
パリに生まれ、アントワープとロンドンで絵を学び、のちにフランスに帰国します
裕福な市民階級の肖像画が多く
王立のアカデミーにも参加して、会長も務めた経験もある画家です
●全体図
自然の風景の中で、女の子のような少年の姿、犬を抱えていますね
その視線は画面左側に描かれている小鳥に向けられています
その小鳥はキリスト教の芸術で、キリストの受難と死、復活を表しているゴシキヒワとされているそうです
以前はこの作品は、ルイ15世(1710ー1774)の幼い頃の肖像画と考えられていました
彼は2歳の時に両親と兄を亡くし、その3年後には曽祖父のルイ14世が亡くなり、たった5歳でフランス王になったという悲しい人生の始まりの歴史があるんですね
すると、この絵は、両親と兄、先王の死。そして彼とブルボン王朝の繁栄ということにピッタリのモチーフっが描かれているわけなのです
でも、現在は決定的な証拠がないそうで、仮説は仮説のまま
いつの日か、埋もれていた資料などが出てきて
この作品のモデルが特定できると面白いですね