三上晴子 《スーツケース(World Membrane : Disposal Containers-Suitcase)》
1992−93
東京都現代美術館の常設展に先日まで展示。
今日の一枚のアート(一枚じゃないけど)
三上晴子(1961ー2015)さんの1990年代はじめの頃の作品です。
■作品紹介
透明なスーツケースには、注意とか危険とか。感染症とか放射能。とかの文字が、
どうもそれらの処理、廃棄用の容器が透明のスーツケースの中に入っているようです。
さらにそれは、空港の手荷物預かりを連想される台に置いてあって、これから世界中へ向かうところか、それとも世界中からやって来たところかも。
作品は透明なスーツケースですが、、、本当は中身は見ることができるわけでもなく、知らないうちに通過していくことも暗示しているようです。
三上晴子さんは1961年静岡県生まれ。
高校卒業後、上京して来て、鉄クズなどの廃棄物を使った作品を作り、芸術活動を始めます。
1991年にアメリカに渡り、コンピューターサイエンスを学び、ニューヨークを拠点として海外で作家活動を行ってました。
2000年には多摩美術大学で教えることに、その後2015年に癌で死去されました。
そんな三上晴子さんの1993年の発表の作品。丁度30年前のことですね。
まだスマホもインターネットも普及していない時代。
作品のキャプションにあったのですが、この作品を見て、東日本大震災の福島原発事故や、コロナ禍を経験した私たちは、将来のパンデミックスや放射能汚染などの注意喚起に思えてなりません。
現在は東京都現代美術館は展示替えのため閉館中ですが、、、、
東京都現代美術館のコレクションはなかなかいいものだと思うので、よかったらぜひ常設展にも。
この美術館は、地下鉄半蔵門線、清澄白河駅から歩いて10分ちょっとの距離です。