東京国立近代美術館の常設展 見るべき5点+1  東京・竹橋 | akki-artのブログ

akki-artのブログ

アートや建築、ファッションなどなど。美術館やギャラリー、街の風景など、キレイと思うものをあれこれと。

東京国立近代美術館の常設展で見るべき 5点と+1

 

近美で開催中の「重要文化財の秘密展」が大人気みたいですね。

 

教科書でみた作品が並んでいるのですから、誰でも一度は見たいもの。

 

 

でもこれを見て、それだけで帰るのにはあまりにも勿体無い。

 

一度、会場を出たら常設展へ向かわれたらどうでしょう。「重要文化財の秘密展」のチケットで常設展にも入れるので、企画展の脇の常設展の入口から、エレベーターで上へ上がってください。

 

多分、そのうち重要文化財になるかもしれない作品が並んでいます。

今回の常設展の陳列は、気合い入りまくりですから。

 

■作品紹介

 

日本人の作家の5点に、イギリス人の作家の1点を紹介します。

はっきり言って、超ベタですが。

 

 

●東山魁夷 1908ー1999

《道》 1950

 

 

 

道というのは、作者が迷った末にたどり着いた道のこと。

作者の代表作。ゆく先が右に折れて見えませんが、進む道は一本です。

 

 

 

 

 

●片岡球子 1905−2008

《渇迎》1960年

 

 

能の『石橋』という作品を題材にした、迫力のある大画面の作品。

中国・インドで仏跡の地をめぐる旅を続ける、寂昭法師が中国清涼山で、細い石橋の向こうに文殊菩薩の浄土があることを知り渡ろうとしますが、樵の少年が現れて、その危険なことを説く場面です。

能では豪華な舞が見所です。それに伴った作品です。・

 

 

 

 

●加山又造 1927ー2004

《春秋波濤》1966年

 

 

中央に満開の桜の山。左側に真っ赤に染まる紅葉の山。

月があって、波がうねっています。

まるで琳派のよう。20世紀の琳派はこうなるのでしょうか。

 

 

●船田玉樹 1912ー1991

《花の夕》1928年

 

 

実際に見てみると、その赤の美しさに見とれてしまいます。

赤の花の色もそれぞれ少しづつ違っているのです。

抽象的な風合いもあって、今回の展示で一番気に入った作品です。

 

 

 

 

■次の2点は、修復の特集のコーナーにありました。

 

 

 

●藤田嗣治 1886ー1968

《五人の裸婦》 1923

部分

 

 

藤田は1920年代、パリで大成功をおさめます。

その理由は女性の白く美しい肌とその線です。

この作品は、五人の裸婦が聴覚や味覚など人間の5感を表しています。

耳を触る女性は聴覚を、口を触る女性は味覚をと言った具合。

中央の女性は美術において一番重要な視覚を表しているとされています。

 

 

 

●フランシス・ベーコン 1909ー1992

《スフィンクス ーミュリエル・ベルチャーの肖像》1979 

 

 

この作品のモデルは、作者ベーコンの行きつけ、ロンドンのソーホーにある、会員制のバー「コロニー・ルーム」の主人。二人は硬い友情で結ばれていたそうです。

半獣半人の姿で描かれています。作者が女性を描いた貴重な作品。

 

 

超ベタな作品を並べて見ました。

 

 

こちらは会場は1階に比べると、あまり人はいないと思います。

 

とは言っても粒ぞろいですよね。

ある意味、未来の重要文化財。

さらにワンランクアップして、未来の国宝に近いのは、企画展に出品中の作品よりはこちらかも。

 

特に東山魁夷の《道》は、そうなるのかな? 知らんけどw。