岸田劉生《麗子微笑》1921年(大正10年) 東京国立博物館蔵
東京竹橋の国立近代美術館の「重要文化財の秘密展」に出品されています。
そこの常設展には岸田劉生が「麗子像シリーズ」の最初に描いた麗子5歳の時の作品があります。
また京橋のアーティスト美術館にも別の麗子像が展示中です。
全て5月14日(日)まで公開中。
■重要文化財 トーハクの麗子像
●重要文化財 《麗子微笑》1921年(大正11年)
東京国立博物館蔵
▲部分
岸田劉生(1891ー1929)は、1917年(大正7年)結核の療養のために東京から神奈川県鵠沼に転居しました。そこで描かれたのが、この麗子像のシリーズです、油彩や水彩、素描など約70点ほど作られたと言われています。
その中でもこの東京国立博物館所有の麗子像は代表作とされています。
愛娘の麗子への愛情が伝わってきます。
麗子さんは、物静かで優しい人柄なのがわかる作品。ちょっと謎めいた微笑をしていますけれども。
横長にされたおかっぱ頭の顔や、かなり小さく描かれた腕なども、作者の工夫でしょうね。
●重要文化財 岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》 1915年(大正4年)
東京国立近代美術館蔵
(この画像は昨年、国立近代美術館の常設展で撮影したもの)
岸田劉生ではこの「切り通し」も重要文化財展に展示中。
これも有名な作品です。新しさの象徴を、当時の都市開発の風景として描いたもの。いまの小田急線参宮橋駅付近だそうです。
■常設展(修復についての特集コーナー)にある麗子像
●《麗子肖像「麗子五歳之像」》1918年(大正7年)
この有名な麗子像のシリーズの最初の1点です。
■京橋 アーティゾン美術館の麗子像
尚、丁度現在、東京京橋のアーティゾン美術館の常設展でも
《麗子像》が展示されています。
●《麗子像》 1922年(大正12年)
アーティゾン美術館蔵
▲部分
何の指定もないけれど、個人的にはアーティゾン美術館の作品もなかなか良いと思っています。
微笑がはっきり。今まさに、笑い出そうとしているところみたいです。
手の描写や、服装の表現など、重文指定の作品より、抽象的な表現になっていますが、これもありですね。
どちらの展覧会も5月14日(日)まで。
竹橋と京橋。地下鉄の日本橋で乗り換えれば移動に30分かかりません。
橋つながりですね。なかなかないチャンスかもしれませんよ。
また日本橋で下車し、近くにある三井記念美術館に寄り道するのもありです。
ちなみにそこではNHKの大河ドラマにコラボした「どうする家康」開催中です。
あなたなら、「どうする?」