柴田是真の代表作 《烏鷺蒔絵菓子器》 19世紀 東京国立博物館蔵
今日の一枚のアート(←勝手に名付けた、一枚じゃないけれどもね)
昨年の秋、東京国立博物館の常設展で展示されていました。
江戸時代に生まれ明治に活躍した柴田是真の代表作です。
●《烏鷺蒔絵菓子器》
箱が二つ重ねられたデザインが新しいですね。
片方の箱には烏がもう一つの箱には鷺が描かれています。
群れ飛ぶ鳥の姿が見事に描かれていると思います。
金と黒の配色がなんとも言えないですね。
「烏鷺合戦物語」に題材をとっていると解説のパネルにありました。
祇園の烏と糺の森の鷺が戦い、負けた烏が高野山へ出家、勝った鷺も高野山へ出家して、仏道修行に励むという話です。
また「烏鷺の争い」という、烏の黒と鷺の白で、囲碁で勝負をするという言葉もありますね。
■柴田是真とは
柴田是真(1807ー1891)は江戸で蒔絵を学び、その後京都では四条派を学びました。
絵画と漆芸の両方で活躍。日本でも海外でも認められたという作家です。
明治時代の工芸は海外では大人気だったそうです。
わかりますね。
江戸時代に学んだ職人としての技法に、明治の新時代の感覚を取り入れた作品は最強ですね。