国宝展 その2 第2部 菱川師宣《見返り美人図》 @東京国立博物館 | akki-artのブログ

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菱川師宣《見返り美人図》@東京上野 東京国立博物館

国宝展 第2部 東京国立博物館館の150年

 

 

■国宝展 リーフレット

 

 

国宝展もチケットが取れずに争奪戦の様相ですね。

僕は開催3日目に行くことができて幸運でした。

 

■第2部は \東京国立博物館の150年/

(ちなみに第1部は \東京国立博物館の国宝/

 

その最後のところに写真撮影可能な作品が展示してあります。

その一つが

 

■菱川師宣 《見返り美人図》

 

 

江戸時代、17世紀の菱川師宣の肉筆画。

テレビのCMなどで使用された作品ですよね。

 

■菱川師宣(?〜1694)とは

一言で言うと、浮世絵の祖。

安房国(今の千葉県)に生まれ、江戸に出て無名の絵師から、一大工房を築くことになる作家。

遊里と芝居という二大悪所を生き生きと描き、今までの狩野派などが描かなかった江戸の風俗を題材として作品を作って行きます。工房では肉筆画も多く作られましたが、絵本の挿絵や木版画を世に送り出します。師宣に刺激され鳥居派、宮川派などの流派が生まれ、版画による作品が大量生産され、単価の引き下げに成功し、浮世絵は世に広まって行くこととなるのです。

 

 

 

■僕的 《見返り美人図》案内

 

 

当時、美人画は流行のファッションを伝えるものでした。

後ろから描くことで、この時期のファションモードを詳しく表現できていると思います。

 

髪型がはっきりとわかりますよね、「玉結び」と言われる、髪を丸めて垂らし、簪で止めた髪型。

鮮やかな赤い地に、菊と桜をちりばめた着物の模様。

また帯の結び方も「吉弥結び」と言われる、役者の上村吉弥の舞台衣装から流行した結び方。

これらもすべて後ろ姿を描くことで、詳しく表現されています。

それでいて、振り向き、見返す一瞬の女性の横顔を捉えています。

身体も曲線を描き、動きを表現。

計算ずくの構図、見事ですよね。

 

尚、この作品、今年の東京国立博物館の企画「未来の国宝」という展示の第1回目に飾られた作品です。

でも、未来はかなり先かも。僕の生きているうちは難しいかもしれません、まだ重要文化財にも指定されていませんからね。

 

この《見返り美人図》は11月13日(火)までの展示予定。

その後は複製品が展示されるとこのこと。