意識せずにまっすぐに歩いた場合
踵外側45°のラインから着地が始まり、
足の重心は足裏の外側を通り横足根関節の回内により母趾球に誘導され、
母趾球から第一趾へ真っすぐに抜けていくという軌跡を描きます。
しかし、強剛母趾の場合は
踵着地時、踵骨と距骨の間にある距骨下関節が過度に開いて、
歩行周期の立脚相の間、回内から回外への動きが遅れ、
結果として外側から内側へ足圧が急激に移行する為、
母趾球で抑えきれず、
MP関節の挙上変形が起こると思われます。
※この回内から回外への動きがスムーズに働くのにはスプリング靭帯が作用しています。
しかし、距骨下関節が過度に開くことにより、スプリング靭帯が伸びきりスムーズな回内から回外の動きに移行できなくなります。
強剛母趾の方の多くは、母趾球から第一趾に真っすぐ抜けず、
外側から内側へ斜め蹴りになります。
また、第一中足骨 挙上変形により、中足骨が必要以上に背屈するため、
リスフラン関節(足根中足関節)に緩みが出てくる事にもなります。
そうしてくると歩行時に最後に蹴りだす時に、
どうしても靴にMP関節部があたります。
これは、靴の幅が広かろうが、狭かろうが当たる傾向が出てきます。
短時間の歩行では、それ程 痛みは出ないのですが、
歩行距離が長くなるとそれが1歩ごとに積み重なって当たってくるので、
あたった箇所が赤くなってきて痛みが出てくることになるのです。
これらは、往々にして、
外反母趾の初期と言われ 「靴を変えてみたら?」と言われ、
幅広の楽な靴を選んで履く場合が多いですが、痛みは改善されません。
この場合
足底板をつくったりする人も多いですが、
まずは、テーピングなどで内側の載距突起の部分を上にあげるようにテープを貼ります。
(ちょうど 土踏まずの部分から上へテープを巻き上げる感じです。)
テープで距骨下関節の過回内位を抑制し
内側の載距突起の開き過ぎを止めるようにしながらコントロールすることで、
回内から回外への移行が正常になり、
重心移動はMP関節から第一趾上を真っ直ぐ抜けるようになるので、
母趾の痛みが改善されていきます。