春望 | アキグミ

アキグミ

秋吉久美子オフィシャルブログ

やっぱり冬だ。本当の冬だ。
エアコンの暖房の温度を28度に上げた。
外は冷凍庫か、と思うほど寒い。

30年ほど前の一月の末、インドの北、ヒマラヤの麓のダラムサラに旅行で過ごした時の空気を思い出す。
食堂もカフェも夜は9:00前に締まり、
僅かに灯る街灯の裸電球の下にたむろして、旅行者たちが立ち話をしたのだっけ。
あの外気の冷たさ、かき合わせる上着の感覚。
悴む指。暗闇の中、遠くに浮かぶ白いヒマラヤ山麓の輪郭。

コロナで旅は遠いものとなっている。

旅だけではない。日常が、私たちの元に戻ってくるのは、
いつになるのか?
案外早いのか。それまで我慢できるほど、早いのか。早くあって欲しい。

繋がること、恐怖のあまり人を排除しないこと、
が差し当たって今大事なことだと思う。

そして本当に必要なことを迅速に進めること。
冷静に具体的に、進めることだ。

今日は詩吟で、杜甫の「春望」を吟じた。
もう一度 意味をよく考えてできるようにしないとね。
誰しも
本当の春を待ち侘びている。