銀座 リサイタル | アキグミ

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秋吉久美子オフィシャルブログ

銀座のスタインウェイホールでの、
友人井上和恵さんのピアノリサイタルに行ってきました。



演目、ベートーベン「悲壮」「月光」「熱情」大好物ばかり。その中でも、大好きな 「月光」堪能しました。

月光」を聴きながら、こんなにも「月光」が激しく深く押し寄せる、暗闇の世界のベートーベンの時代を垣間見たくなりました。
月光しかなかったのです。他には何もなかったのでしょう。
灯りなど全くないどこかの島に行って大音響で「月光」を聴きたいと、妄想してしまった。
井上さんはピアノを血肉化してしまっていて、
鍵盤との一体感の奏でる音は凄まじい。
震える。吹き寄せる。無音。そして音の洪水。
光る音。落ちる音。音が官能そのもの。

2部はチャイコフスキーのくるみ割り人形。
時節柄 くるみ割り人形は、ロシアの冬の幻想世界に誘い込まれたようで、
頭の中で、チャイコフスキーと、画家のシャガールが重なりました。
不思議な経験です。

迂闊に旅もできないコロナ禍だけど、
ピアノを通して時空を越える旅をしてきた。



隣の帝国ホテルもひさしぶり。
ロビーは華やかな冬の装いだ。

これから食事です。