故人無からん | アキグミ

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秋吉久美子オフィシャルブログ

相当調子は悪かったのだが、
頭痛薬しっかり飲んで、熱いお風呂に入り、
詩吟のお稽古をした。

3冊目終わって、また、復習で、3冊目の一曲め、
王維作の漢詩「元ニの安西に使いするを送る」に取り掛かったが、思い出して、またまた気に入って、すっかりいい気になった。
この、いい気になるところが詩吟の良いところだ。なんでも、たまにいい気にならないと続かない。
私はお酒が強くはないのだが、
小説や詩でお酒の描写が出てくると、
飲んでないのにすっかりその気になってしまう。
格好いい気がするのだ。
「君に勧む。更に尽くせよ、一杯の酒。」
無からん。無からん。故人無からん。と続く。
もう、勝手にシンドバッド(古い!)と感動する。
故人とは、死者のことではなく、知己の人のようだ。
別れを惜しむ気持ちに溢れながら、辛気臭く無いところがとても素敵だ。

この時代の別れは、今の別れとは違う。
スマホの時代とは違う。

酒は濃く
距離は遠く
別れは深い。

アレルギー性鼻炎で鼻声の詩吟だったが、
想いを馳せている間は、体の不調を忘れた。