センチに。 | アキグミ

アキグミ

秋吉久美子オフィシャルブログ

フランソワーズは安らかに寝ている。
数枚の薄い牛肉の赤身と、ハーゲン ダッツの夜ご飯。起きたらまた、お薬を飲ませないと、、。

気分転換に「マーガレット サッチャー」
を観る。死んだ夫と、鉄の女として君臨した政治人生が、交互に幻想として現れる設定で、時に悲嘆に暮れ、時に彷徨うメリル・ストリープの演技に、返って、センチメンタルになってしまった。
私はこの人が、ヨーロッパ人を演じると心が開く。
演技に抑制が効いていて、いつものメリル、、とは違う。「アフリカの光」のオランダ人の農場主の役は好きだった。オランダ女性の孤高の強さ、そして、ロバート レッドフォードのお茶目な無責任ぶり、が、アフリカの大地を舞台に展開されるのだが、、あ、また観たいな。

フランソワーズは、15年前足で全体重を支え、
今は肩がグチャグチャ、、。
それでも歩くと言う。
その男らしさが切なくて胸が潰れる。
寝ていてくれるとホッとする。
今まで15年以上、痛かったのだ。
痛いのが彼の一生、、。
それでも、赤い車椅子で現れると、人々は可愛いと言って、笑顔になった。
有名人のように旅行者に写真を撮られた。
誰よりも女の子を愛し、追いかけた。

彼の歴史は私が一番知っている。
常に我慢し、常に、人気者、常にワガママな
私の王。