理不尽の美学 八甲田山 | アキグミ

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秋吉久美子オフィシャルブログ

映画監督の樋口さんにお誘いを受け、
NHKで開催された
「八甲田山シネマコンサート」に行ってきましたよ。


映画の大映像とオーケストラの共演!という、夢の企画で、予想を超えた感動、感涙の雪崩のような八甲田山だった。

軍部の演習としての、雪また雪、雪の嵐の悲壮な行軍の映画なのだが、映画から萌え出ずる熱い情熱で満たされていて、
飽くことなく、目を離すこともできない。
スクリーンの手前ては、生のオーケストラが鳴り渡る。
なんと言う贅沢な、、本当に夢のようじゃありませんか、、。
オーストリアの皇帝、狂王ルードウィヒもかくならん!(いきなり、、ですが!)


映画のスペクタクル、切々と進み行くオーケストラ、全て相まって、最高だった。

2つの連隊の運命の分かれ道、、とは?
私はロックなタイプなので、縦社会や規律には疎いのだ。
だけれど、
男性社会、そして軍人。
命令には従順であり、
理不尽なことでも押忍の精神で応えていく、忍の美ゆえの悲劇に心乱れる。
45年前に撮影した、
八甲田山のカメラマン、木村大作さんにもお会いできた。当時35歳だったんですって。
監督森谷司郎さん当時43歳!
ゴールデンコンビ。なんだってできるね。
森谷監督、木村大作カメラマン、漢有り。
両雄の眩しさ 雪の中で輝いていた。

音楽の芥川也寸志先生の奥様ともお話しできた。
今回は、なだれのシーンがすごかったと、感想述べ合う。
映像を4kでしたので、より臨場感が高まり、怖いくらいだった。

感動すると勇気が湧く。
感動必要!
映画 必要!
コンサート必要!

大興奮のシネマコンサート!

人生は雪の中行軍かな?
と、ふと思った。

ps
注 「狂王 ルードウィヒ」
オーストリアの王。
繊細すぎて、狂ったルードウィヒ、は、国政そっちのけ。アートと音楽に浸る日々。
お城の地下に洞窟と水路を作り、スワンのかたちのボートを浮かべ、楽師達にコンサートをさせていたのでした。