たまには、映画私感。 | アキグミ

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秋吉久美子オフィシャルブログ

Jeune et Jolie
若くて美しい、、
「17歳」って言う映画をケーブルテレビで観た。
ネットの評価の星は、ほとんど3.5くらいで、
ストーリーは浅い、とか、
主人公が美しい、とか、、かな?
でも、私は、ストーリーが浅くて主人公が美しい映画 大好き。
ナインハーフ とか、レッスンC  懐かしい。
ヒロインは、キム ベージンジャー、の長い身体、ミッシェル ファイファーの瞳、ナスターシャ キンスキーの唇、
シモーヌ シニョーレの皮膚感を持つマレーヌ ヴァクトという、絶世の美少女、で、ため息の出る美女。

それがグレるでもなく、楽しむでもなく、無意味な売春をしまくる、、。
その美しさ、その虚しさ。
なんだかなーっ、これってソフトポルノ?と、エンドロールに、
ボヤきかけたが、ちょっと待て。
そりゃあ、サルトルの国、デカルトの国、
ヨーロッパの自我は堅固である。
ルイス ブニュエルの国、ゴダールの国
フランス映画をナメてはいけない。

ヒロインの父親は失われている。
生きてはいるが、姿はない。
たまに、お金をくれる。。
つまり、見知らぬ父親、、ファーザー、、イコール、「神」
無駄に美しすぎる彼女は、
美しさを男に使わず、神への試みに使う。
こんなものか、どんなものか、と。
そのために、家族を傷つけても罪悪感もない。17歳だから。

そして、父として認めても良い男(つまり、神)に客として出会うのだが、セックスの際の事故で殺してしまった時、初めて自分を汚らわしいと感じる、、。
彼の妻ー(あの、「愛の嵐」を演じてしまったシャーロット ランプリング)が現れ、私も試したかった、が、愛することしかできなかった。
今ではもう遅い。と、言う。。

古池や 蛙飛び込む 水の音、、。
その水の音が、
エンドロールの後、頭の中で、
ずっと聞こえている。

監督 フランソワ   オゾンは、
松尾芭蕉なのかもしれない。

フランス人て、むごいな。
こんな音を17歳で聞いてしまったら、
その後どうすれば良いのだろう。
と、
ヒロインが心配になった。