英文法解説/江川 泰一郎
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上掲書の「受動態」の箇所に書かれていた内容から以下の点を学んだ。


尚、ツイッター上でも同内容の事柄を書き込んだが、文字数制限により十分に言葉を尽くせなかった。


あるアメリカ人に"I got motivated."と"I was motivated."という二つの英文を見せ、どちらがより自然かと尋ねたことがあった。


この人は、"I was motivated."は普通だが"I got motivated."は教養のない英語に聞こえると言った。


長いことその理由が分からなかった。


動詞には状態動詞と動作動詞があることは承知していたが、受動態という表現形式とその分類が関係していることは知らなかった。


上掲書から学んだ点とはそのことだった。


著者は動作性の希薄な動詞の例としてlackやcontain等をあげている。こうした動詞は形は他動詞であるから原理的には受動態を作ることは可能だが、動詞の指示する内容は動作よりも状態であると言える。状態を意味としてより含ませる他動詞を受動態にするのは、自然ではないということだろう。


もっとも「受動態」というのは「~される」という意味である。外在的な対象から主体が「動作」を被ることを表す形式だから、動作性が明示的に孕まれる他動詞と受動態が親和性の高いことは納得がいく。


そう考えると、I get motivated/I got motivated.が好ましくない理由が了解できる。


motivatedは外在する対象から働きかけられた結果心に生じた心理状態のことだろうから、状態動詞のbe動詞を用いてI am surprised.やI was shocked to know that.などと同じ理屈で受け身を作るのは自然だが、ある「動作」を主体が被ったことを言い表すの口語的表現のget+過去分詞の形で使うのは理に適っていないと納得した。