この一つ前の記事で、『英作文実践講義』、富岡龍明著、研究社の内容の一つ、from A to Bは動詞句と一緒に使うのが自然で基本であり、名詞の範囲を表すときはeverythingなどのように「すべて」の範囲を形容するときぐらいしか使わない。という内容を紹介しました。(例:平社員から社長まですべてのメンバーが揃った)


しかし今朝、英字新聞を読んでいると次のようなfrom A to Bに出会いました。


The Daily Yomiuri2011年11月25日


"Panel: Quakes on scale of March 11 occur more frequently than thought"の一段落目前半を引用します。


Major ocean trench earthquakes have occured off the Paciffic coast from the Sanriku to Boso regions once every 600 years, according to a government panel report....


赤で示した部分は、「三陸から房総までの太平洋沿岸」と訳せるでしょうか。


富岡氏の記述では、from A to Bは動詞句を副詞的に修飾するときか、everythingやeverbodyのような「すべて(全員)」の範囲に言及するときに限られるから、名詞の指示する範囲を形容するときは使わないのが自然と読めます。


しかし、この記事中のfrom the Sanriku to Bosoは、have occuredという動詞の部分ではなく、「太平洋に面する海岸」の「海岸」という「名詞」の指示する範囲を説明していることは明らかです。


と、思ったのですが、、、、


off the Paciffic coastとありますから、太平洋に面した海岸線から離れたところが震源だと言っていますね。


で、その震源域の範囲を(平行する)海岸線に照らして言えば、それは三陸から房総までだと言っています。


この一文が伝える情報の核心は、巨大地震が三陸から房総地域から近いところで起こってきたんだ。ということではないでしょうか。


情報同士の関連により注目すれば、from Sanriku to Bosoは、直前の名詞the coastを修飾もしていますが、それよりも、巨大地震が起こってきたという重要な情報に対して、それはどこで起こって来たのか?という重要な情報を加える働きのほうがより注目すべきfrom Sanriku to Bosoの働きのように思えます。


そうすると、やはり、富岡氏の言うfrom A to Bは動詞句に副詞的に情報を加えるときに使うのが自然という記述内容と合致する気がします。


皆さんのご意見をお聞かせください。