菓子屋の仕事は予想以上に大変で
夜になり、菓子を片付け始める頃には
4人はへとへとになっていた。
たたみの上に転がる4人に
温かいお茶が差し出された。
「こんなので疲れているようじゃ、まだまだダメよ?」
いたずらな笑顔を向ける彼女は、
お凛さん。
「ありがとうございます。」
特別美人というわけではないはずなのだが
彼女の笑顔の愛らしさには思わず目を奪われる。
「お凛、おかしなことを吹き込むんじゃないぞー。」
店の方から浅葱の声が聞こえる。
お茶を飲みながら
お凛さんと少し話をした。
お凛さんはもともと、
浅葱屋の近くにある、大店の一人娘だったらしい。
彼女は身分を嫌い
家出をして
武士に絡まれているところを
浅葱に救われ
しばらくかくまってもらっていた。
今は家に帰っているようだが
何かを隠しているような様子だった。
しばらく話をしていると
すくっと立ちあがり、言った
「そろそろ、帰らなきゃ。浅葱、また来るね。」
寂しそうにつぶやく彼女を見て
樹がつぶやいた
「お凛さんって絶対、浅葱さんのこと好きだよな」
優月が鳩尾を殴ったことで
なんとかお凛さんには聞こえなかった。
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お凛さんが帰ったあと
浅葱は4人に言った。
「彼女には、時間がない。」
その言葉の意味を知らない4人だったが
間もなく意味を知ることになる。
なぜなら
彼女が浅葱屋にやってくることは
もう二度とないのだから・・・・-